哺乳に必要な原始反射|早産児と母乳育児
赤ちゃんは、教えなくてもできることがたくさんあります。
赤ちゃんは哺乳に必要な原始反射を、お腹の中にいるときから身につけ始めます。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第2章 母乳育児の生理学基礎
2.7 赤ちゃんの原始反射
赤ちゃんの原始反射は、母乳育児を適切にするために重要なものです。
母乳育児に重要な、主な反射には、ルーティング反射・吸てつ反射・嚥下反射があります。
ルーティング反射:何かが赤ちゃんの口元やほっぺたに触れると、その方向に顔を向けて口を開け、舌を出す反射のこと。
妊娠32週頃から存在する。
吸てつ反射:何かが赤ちゃんの口蓋に触れると、それを吸い始める反射のこと。
嚥下(えんげ)反射:赤ちゃんの口の中に母乳がたまると、それを飲みこむ反射のこと。
妊娠28週頃以降の、早産の赤ちゃんも乳首をとらえることができます。
31週頃からは、吸てつして母乳をいくらかは飲むことができます。
吸てつ・嚥下・呼吸を協調してできるようになるのは妊娠32-35週の間です。
この頃の乳児は短時間しか哺乳できませんが、足りない分はコップで母乳を飲むことができます。
妊娠36週からはほとんどの乳児が、直母で十分に哺乳できるようになります(26)。
赤ちゃんとお母さんの授乳のスタートから確立するまでをサポートするには、これらの反射をよく知ることが重要です。
また、赤ちゃんの成熟度によって直母可能か、一時的に他の方法を使って母乳を飲ませる必要があるか、判断します。
早産になる可能性は誰にでもあります。また、赤ちゃんにも個人差があり、満期産児であても、これらの反射がスムーズにいかず、生まれてから徐々に習得していくケースもあるようです。
母乳育児のパターンは母子の組み合わせによってさまざまなので、赤ちゃんのペースを見守りつつ、焦らずに自分たちに合ったやり方を探していけるといいですね。
早産の場合は特に、母乳育児が上手くいくためには、病院側のスキルが求められると思います。
未熟児や低出生体重児の赤ちゃんもなぜ母乳育児をした方がいいのか、どうやってすればいいのか、などについてのWHOのガイドラインはこちらからも読めます。
2017/1/28更新
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