泣くたび授乳をしていると、よく泣く子になる?

大昔(何十年か前)は、3時間おきなどの「定時授乳」が流行していたようです。

 

その後、定時授乳では母乳育児はうまくいかないということに気付いた一部の専門家によって、赤ちゃんが泣いたらおっぱいをあげる「泣くたび授乳」が推奨されるようになりました。

でも、実際は、泣くたび授乳でもうまくいかないことがあるようです。

 

<授乳を遅らせること>

母乳育児の経験があり、いつも赤ちゃんの近くにいて要求をすぐに察知して、サインが初期のうちに授乳を開始するようなお母さんの場合は、赤ちゃんが不機嫌になったり、ぎゃん泣きしたりすることはありません

 

しかし、定時授乳をしていたり、赤ちゃんと離れて寝ているお母さんの場合は、だいぶ違ってきます。

 

ほんの数分でも、泣いているまま放置されている新生児は、とても混乱し、乳房への吸着と、適切な吸てつが難しくなりえます

これは入院中のお母さんによく見られます。

 

「赤ちゃんは時間に基づいた授乳を待つことができる」

あるいは

「空腹のためにより力強く吸啜することで、乳房がより多くの母乳を作るきっかけになる」と主張する人もいます。

でも、実際は、反対の現象が起こることが非常に多いのです。

 

赤ちゃんの自然なサインを拾わずに、早すぎる段階で授乳に誘ったり、「ベストな瞬間」を過ぎるまで待ったりしてしまうと、単純に、うまくいかないのです。

 

看護師は、哺乳瓶を使って、強制的に人工乳首を赤ちゃんの口に触れて吸てつ反射を起こし、スケジュール通りに飲むように赤ちゃんを仕立てることもできます。

でも、もっとも能力のあるラクテーションコンサルタントであっても、母乳育児の場合は、赤ちゃんをそのように仕立てることは、ほとんど不可能です。

 

<原文>

Lisa Marasco, BA, IBCLC and Jan Barger, MA, RN, IBCLC. Examining the Evidence for Cue feeding of Breastfed Infants

 

本文中には、母子異室(別室)の産科施設でよくある状況として、こんな例も書かれています。

“看護師が急いで「赤ちゃんがおっぱいを欲しがっています。もう10分も泣いています」と告げて、お母さんがすぐに赤ちゃんに授乳しようとしても、すでに寝入っていて十分に哺乳できないこともあります。

その結果、必要な分を飲めないことが多くなり、このやり取りが繰り返されれば、お母さんの母乳の生産量は、徐々に減少していくでしょう。”

 

「出産当日から母子同室」の方が母乳育児がうまくいきやすいのは、こういう理由もあるのですね。

 


赤ちゃんの「泣き」より「サイン」に注目!

赤ちゃんが哺乳の準備ができているか関係なく飲ませようとしたり、赤ちゃんが飲みたがっているサインを無視して泣くまで待ったりするやり方では、うまくいきにくいんですね。

泣くたび授乳をしていると、赤ちゃんは「泣くこと」が唯一のコミュニケーション手段になります。

しかし、サイン授乳をしていると、赤ちゃんは不穏な空気を出したりソワソワしたり手足を動かしたりと様々なサインを出すことを学び、また、私たち親も、それを受け取れるようになっていきます。

「ベストな瞬間」の見分け方→※「泣くたび授乳」は遅すぎる!「サイン授乳」のやり方

2017/5/12更新

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