「母乳かミルクかを自由に選ぶ」とは、こういうこと
「母乳が足りないからミルクで育てることに決めた」
「母乳にこだわりはないから、自分の意思でミルク育児を選んだ」
というお母さんは少なくないでしょう。
それは、本当に、自分の意思と言えるのでしょうか?
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第9章 政策・医療制度・地域活動
9.1 国の政策と法律制定の強化
9.1.2 代替栄養の販売に関する国際規約とその後のWHAでの決議案:“コード”
医療従事者は“コード”の規定に従うという重要な責任があります(7)。
例えば、 “コード”の範囲で、人工ミルクや様々な関連商品の使用を促進したり陳列したりするために、医療施設を利用するべきではありません。
調乳のやり方を説明しなければいけない場合は、必ず訓練を受けた医療従事者が、人工ミルクを使う必要のある、または情報を与えたうえで使う決断をしたお母さんや家族だけに教えるべきです。
医療従事者は、それらの製品を使うことの危険性もはっきりと説明しましょう。
HIVは母乳を介して感染しうるという事実が、この“コード”を実施するための努力を傷つけるべきではありません。
HIV陽性のお母さんは、全ての女性と同じように、調製粉乳や関連商品の販売促進から守られる必要があり、乳児の栄養法に関する情報をよく知った上で自由に決断できるようにする必要があります。
“コード”はこのようなお母さんたちのニーズも全て網羅しています。
結局、全てのお母さんとその家族には、「乳児の栄養法の正しい知識」を、まずは与えましょうということなんですね。
そうして初めて、ミルクを使うかどうかを含めて、それぞれの状況に応じて最適な栄養法を選ぶことができるのです。
でも現実は、母乳育児の正しい知識が与えられないまま、一方的に代替栄養を紹介されたり、使うように指導されたりした結果、
「母乳が出ない」
「母乳だとうまくいかない」
「母乳にこだわる意味はない」
などと勘違いして、母乳育児をあきらめるお母さんも多いでしょう。
これでは、お母さんが自由に決断しているとはいえない(ミスリードされている)ということになってしまいます。
「正しい知識」って何?→※第2章まとめ|誰も教えてくれなかった、おっぱいと母乳の基礎知識
代替栄養を必要としないお母さん達にも粉ミルクを紹介していると、どうなるの?→※こんなことにも決まりがある!BFH(赤ちゃんに優しい病院)と粉ミルク
2017/4/15更新
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