ミルクメーカーにとって耳の痛い話?
「味・色・香りを母乳に近づけました」
「母乳の成分とバランスに近づけました」
「母乳と同じ栄養素をプラス」
「しっかり鉄分補給」
などなど、よく見る粉ミルクのキャッチフレーズについて、WHOはこんなことを言っています。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第9章 政策・医療制度・地域活動
9.1 国の政策と法律制定の強化
9.1.2 代替栄養の販売に関する国際規約とその後のWHAでの決議案:“コード”
多くの場合、調製粉乳のメーカーは自分たちの商品を、お母さん達や医療従事者たちに
「母乳も人工ミルクも変わりはないですよ」
ということを積極的に信じさせるような方法で、販売促進しています。
すると、お母さん達は、自分の母乳についての自信や、世界的な推奨法に従って母乳育児を行う能力についての自信を、傷つけられてしまいます。
この“コード”は調製粉乳や様々な粉ミルク製品・食品・飲み物・人工栄養の離乳食など、母乳の代わりにされるような代替栄養の販売を規制しようとしています。
“コード”は商品を禁止しようとしているのではなく、必要もない家族にまで使おうとさせてしまわないように、販売促進方法をコントロールしようとしています。
“コード”って何?→※WHOは粉ミルクに反対しているわけじゃない
<「自分の母乳についての自信が傷つけられる」とはどういうこと?>
日本の多くのお母さんは、もともと「自分の母乳はなぜ優れているのか」ということを、具体的に知る機会がありません。
その上で、「ミルクも母乳と変わりはないよ」と、ミルクを必要としない家族にも宣伝すると、本当に小さなきっかけで母乳を諦め、ミルクを飲ませはじめることも少なくないのです。
<日本では母乳育児の科学的知識が知られていない状態>
この“コード”が国連で採択されたのは1981年のことなので、その前後あたりがミルク育児ブームのピークだと考えられます。
その後は、世界的に母乳率が上昇し始めているようです。
ただし、今でも、
「母乳だと体重が増えない(増えるのが遅い)」
「母乳中の栄養分は、月齢とともにどんどん減っていく」
などと言われることが少なくありません。
本当はどうなの?→※完母の赤ちゃんの方が体重は早く増える!?補完食と母乳の与え方
日本の場合は「世界的な推奨法」がまだ知られていない段階なので、そもそも「世界的な推奨法に従って母乳育児を行う能力についての自信」を持っているお母さん自体が、少ないかもしれません。
世界的な推奨法って?→※第2章まとめ|誰も教えてくれなかった、おっぱいと母乳の基礎知識
2016/1/16更新
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