緊急時の出産・育児のガイドライン

災害時などの緊急事態が起こった時に、産科施設や自宅出産に関わるスタッフがするべきこと、母乳育児と離乳食(補完食)の支援方法、
などについてのWHOのガイドラインです。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第6章 例外的に困難な環境の乳児の適切な栄養法
6.3 緊急事態の状況で生活する乳幼児
緊急時の管理
●緊急時の栄養法に特別な救助が必要な場合●
一般的な救援に加えて、お母さんが乳幼児に栄養を摂らせてあげるためには、特別な支援が必要です。
緊急時は以下の形式のサポートも行うことを目指しましょう。
~赤ちゃんに優しいマタニティーケア~
母乳育児を軌道に乗せるための10ステップを、産科施設と自宅出産のどちらにおいても実行されるべきです。
訓練された母乳育児のカウンセラーと地域のグループによる熟練したサポートが、出産前と産後1週間は必要になります。
~正しい補完食が手に入ること~
母乳に加えて、月齢6カ月以降の乳幼児には衛生的に準備された、食べやすく消化しやすい補完食が必要になります。
特に必須栄養素が栄養強化された食品は、月齢の高い乳児と幼児には好都合でしょう。
しかし、提供されたものが、地域の食材や救援物資を使って適切な補完食を準備する邪魔になってはいけません(第3章参照)。
哺乳瓶は、使わないようにしましょう。
~地域の熟練した介助~
- お母さんに授乳の仕方を教え、赤ちゃんが24カ月になるまでサポートします。
- お母さんに、月齢6カ月から、利用可能な食材を使った正しい補完食について教えます。
- 赤ちゃん主導の授乳ができるように、お母さんをサポートします。
- お母さんが感じている困難さを見極め、支援します。可能なら、フォローアップは住居を訪問して行います。
- 乳幼児の成長をモニタリングし、それに応じてお母さんに助言します。
~適切な保健サービス~
- 母乳育児と補完食をサポートします
- 出生体重が低いことや病気などが理由で、直母できない赤ちゃんは全員、搾乳し、コップで飲ませる介助をします。
- 栄養不良の乳幼児を積極的に探し、状態を診断して治療します。
- 病気や栄養不良の赤ちゃんが入院している場合は、そのお母さんも一緒に病院に滞在させましょう。
- 栄養不良の赤ちゃんが退院する前に、お母さんが授乳を再開し正しい母乳育児ができるようになるように介助しましょう。
搾乳の基本知識や飲ませ方などは、タグ搾乳から読めます。
2017/4/6更新
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