帝王切開で出産した場合|母乳育児の始め方

帝王切開は誰にでも可能性があることです。
帝王切開で出産した場合、母乳育児はいつ、どのように始めればうまくいくのかのガイドラインです。
お母さんや赤ちゃんの状態によって、様々な対処法が書かれています。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第7章 乳房の管理と母乳育児におけるさまざまな障害
7.15 帝王切開
<母乳育児の立ち上げ方>
帝王切開によって出産をした母子は、病気や異常など他の合併症がなければ、通常通り授乳してかまいません。
- お母さんが全身麻酔をされた場合
お母さんが授乳できるようになり次第すぐに、スキンtoスキンコンタクトと、授乳を開始しましょう。
通常は、分娩後およそ4時間でできるようになります。
- 正期産児で状態の良い赤ちゃん
お母さんが全身麻酔された場合、意識が戻るまで、最初の授乳を待つことができます。 - 低血糖のリスクのある赤ちゃん
お母さんが全身麻酔された場合、授乳できるようになるまで代替栄養が必要になります(第6章6.1参照)。
その場合は、その後の母乳育児の確立を妨害しないように、どんな栄養であってもコップで飲ませるべきです。
- 分娩直後に赤ちゃんが直母できない場合(状態が良くない/とても小さい)
お母さんは、分娩後6時間以内、あるいは可能な限り早く、母乳の供給を確立するために、搾乳を始める介助をしてもらいましょう(第4章4.5参照)。
これは経膣分娩の場合も同じです。
搾乳は、赤ちゃんが飲めるようになるまで、冷凍保存できます。
- (麻酔以外の理由で)お母さんが授乳できない状態の場合
授乳ができるようになるまでの間、赤ちゃんは人工栄養か母乳バンクの搾乳を、コップで飲ませるべきです。
※母乳バンク:「入院中の早産児や病気の赤ちゃんに飲ませるために、母乳育児中のお母さん達から搾乳を集めてストックしておく」という施設が、欧米などにはすでにたくさんあるようです。
帝王切開の場合も、母乳育児を軌道に乗せるためには産科施設のシステムと医療スタッフのスキルが重要になります。
「予定帝王切開」の場合は、事前にバースプランとして医療スタッフと「麻酔方法はどうするか」「その場合、産後何ができるのか」を話し合っておくこともできるかもしれません。
2017/4/2更新
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