バースプランって何を考えればいいの?母乳育児編

バースプランとは、どんな出産をしたいか計画するという意味です。
「バースプラン」として正式に受け付けてない場合も、妊婦検診などの機会に、助産師の方と話してみるのもいいかもしれません。
母乳育児の立ち上がりがスムーズにいくかどうかは、お母さんが適切な母乳育児の知識を身につけているか、産後1週間に赤ちゃんをどういう方法で管理されたかにかかっている。と言っても過言ではありません。
以下に、WHOのガイドライン(母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ(通称:母乳育児を成功させるための10カ条))に基づいて、ポイントをリストアップしています。
どれも、赤ちゃんとお母さんにとって、とてもとても大事なことなのです。
母乳育児の立ち上がりをスムーズにするためのポイント
●出産直後の過ごし方について
□ 産後30分以内に、赤ちゃんに授乳する
□ それが無理でも、赤ちゃんには、水でも糖水でもミルクでもなく、初乳を最初に飲ませる
□ スキンtoスキンコンタクト(通称カンガルーケア※1)を取れる
※1 具体的には…お母さんの上半身と赤ちゃんが裸の状態で、赤ちゃんの上半身がお母さんの胸の間にくるように置きます。その状態で冷えないように母子を一緒に服や布団でくるみます。
□ 産後、赤ちゃんとの触れ合いを1時間以上できる
□ できれば、お母さんと赤ちゃんの力だけで初乳を飲ませる
(スタッフは可能な限り手を出さず、アドバイスするだけ)
●授乳の仕方について
□ 図や模型、動画などを使って授乳の仕方を教えてもらえる
□ 赤ちゃんのそばで過ごせる
(コットをベッドの隣に置くか、母子同床で過ごす)
□ 赤ちゃんが望むタイミングで、昼夜関係なく授乳できる
(授乳は3時間おきに授乳室で、などのルールがあるとトラブルになりやすい)
□ 医学的に必要のないミルク補足を、ルーティン的にしない
(産後24時間は母子別室でミルクを与える、などのルールがあるとトラブルになりやすい)
□ ミルクや搾乳を飲ませる場合、コップやスプーンで飲ませる方法を教えてもらえる
(哺乳瓶は乳頭混乱になるリスクがあります)
赤ちゃんと一緒にいられない場合
地域によっては母子別室の産科施設しか選択肢にないこともあるし、赤ちゃんに医学的処置が必要になってお母さんと離れなければいけないこともあります。
その場合、こんな選択肢もあります。
□搾乳のやり方を教えてもらう
□搾乳を赤ちゃんに飲ませてもらう
□搾乳を、まとめて冷凍保存などして預かってもらう(赤ちゃんと一緒にいられない場合)
□入院中の赤ちゃんと一緒にいられるような、宿泊設備・日中の待機場所などを配慮してもらう
(親がそばにいることで、親子ともに様々なメリットがあります)
□赤ちゃんと触れ合う
赤ちゃんに会いに行ったり、声をかけたり、触れたりすることで、親子ともに大きな効果があるようです。
赤ちゃんが嫌がるまでに成長するまで、カンガルーケアで過ごす方法もあります。
出産予定の産科施設が一つもポイントをクリアできなかったとしても、お母さん自身が適切な知識を持っていれば、できる範囲で必要なことをし、できる範囲で不要なことをしないだけで、母乳育児にまつわる状況は大きく変わります。
母乳育児の立ち上がりに必要なのは母親の努力より医療システム!
BFHと名乗る病院が達成しなくてはいけない条件は何?近くにBFHがなくても、できるだけそれに近い産科施設を選ぶための見分け方は?
など、産科施設のシステムについての話は第4章まとめ|赤ちゃんに優しい病院、BFHとはにまとめてあります。
母乳育児に必要な科学的知識を学ぶには、#母乳の生理学も役に立ちます。
2017/2/10更新
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