赤ちゃんが乳腺炎の感染源に?|WHO

予防

乳腺炎が悪化した状態である感染性乳腺炎は、その辺にいたバクテリアが、何かをきっかけに乳房に感染して起こると考えられます。

産後の過ごし方によっても、「感染するきっかけ」を与えないようにできるようです。

 

乳腺炎;原因と対処法, World Health Organization

5.2 乳児と乳房へのバクテリアの定着

乳児や乳房にバクテリアが定着することは正常な流れで、出産直後に始まります。

お母さんの乳管と赤ちゃんの鼻咽腔には、多様なバクテリアがコロニー形成をしています。

 

それらのいくつかは、黄色ブドウ球菌のように、もしかすると発症するかもしれないものもあります(38)。

しかし、それらの微生物がいるからといって、それ自体が乳腺炎の原因にはならないのです(38; 102; 183)。

 

お母さんが出産後すぐに赤ちゃんと密着すると、お母さんの呼吸器や皮膚に常在する微生物が、赤ちゃんに渡ります。

赤ちゃんが受け取った微生物は、腸内・皮膚・呼吸器で増え、定着します。

いったん共生生物のフローラができあがると、病原性のバクテリアは成長できなくなります

「抗生作用(bacterial interference)」として知られているこのプロセスは、臨床現場で、黄色ブドウ球菌がより強い病原性を持つことで生じる感染症のアウトブレイクの予防とコントロールのために計画的に利用されています(96; 151)。

 

よって、産後早期の母子のスキンtoスキン・コンタクトや母子同室は、母乳育児や母子の結びつきを促進するだけでなく、乳腺炎の一端を担う微生物を含めた感染症の拡大を防ぐ、最も自然界の力を利用した、かつ効率的な方法なのです。

 

昔から、母親と一緒に過ごしている乳児は、預けられている乳児より、感染症にかかる率が低いことが認識されていました(108)。

1949年にColbeckが、感染症拡大において、最も重要な一つの要素は、預けられている乳児の数であることを示唆しました。

彼は「理想的には、乳児は母親のそばにいさせるべきことが明らかだと言えるだろう」とさえコメントしました(24)。

 

 

私たちの周りには様々なバクテリアが存在しますが、共生生物(病原体にならないバクテリア)で周囲を固めることができれば、病原体が勢力拡大しにくい環境を作ることができます。

そして、赤ちゃんが産まれた直後から、母体の共生生物を、赤ちゃんに『うつす』ことができれば、赤ちゃんだけでなくお母さんも、感染から守られる効果が期待できるんですね。

 

昔は新生児室で一斉預かりをする病院が主流だったようですが、今は母子同室の産科施設が増えています。母子が近くにいられるシステムの方が、感染リスクが低くなるメリットもあるんですね。

 

母乳育児は知識は深く、試練は小さく

母乳育児は、知識が深いほど、試練は小さくなります。

赤ちゃんだけでなくお母さんにとっても都合のいい産科システムとはどんな感じなのかは、赤ちゃんに優しい病院、BFHとはをどうぞ。

 

 

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