体重に不安がある赤ちゃんの、成長曲線の読み方

成長曲線の平均値(あるいは中央値)に沿って成長していないと、「体重不足」あるいは「太りすぎ」と判断されることも少なくないようです。

 

でも、成長曲線というのは、たくさんの赤ちゃんの体重を測定したデータをまとめたものなので、

その「平均値が最も理想的な増え方…ということではない!」

ことを、まず最初に念を押しておきたいと思います。

 

どういうことかというと、実際には、成長曲線の中央値に沿って(パーセンタイル曲線のど真ん中のラインで)成長する赤ちゃんは、せいぜい100人中5人とかそのくらい。

つまり、100人中、95人くらいは、中央値とずれたラインで「順調に成長していく」ものなのです。

 


<どういう成長曲線を参考にするかも大事>

2017年現在、母子手帳の成長曲線は、どんな栄養法でどのように育っている赤ちゃんのデータなのか不明なので、パーセンタイルの線に近い所で成長している赤ちゃんが、そこから少し離れたからといって、それが良くないサインかは正確に判断することはできません。

 

その一方、WHOの成長曲線は、母乳のみで健康に成長している赤ちゃんのデータなので、より正確な判断がしやすいと考えられます。

月齢に対する体重不足が分かります|WHOの体重-月齢曲線

 


<グラフの下の方を推移している場合の注意点>

WHOの成長曲線に描かれているZスコア(SD)曲線に沿っている場合は、「体重的には順調なサイン」と言えるでしょう。

例えば、グラフの中で、「低体重」の範囲の出生体重で産まれた赤ちゃんは、低体重の曲線に沿って、順調に成長することができます。

 

ただ単に「成長曲線が下の方にある」というだけでは、その体重が赤ちゃんにとって妥当なのかどうか判断することはできないのです。

体重は、必ず、出生体重とその後の変化(増え方の傾向)を見ていく必要があります。

 


<問題となる場合は?>

もう一つ大事なことですが、「体重増加が他の赤ちゃんより少なくても、全て個性だから大丈夫」という訳でもありません。

 

WHOによると、国籍や文化などに関わらず、健康に育つ赤ちゃんの成長の仕方は、同じような傾向が見られることが明らかになったそうです。

どういうことかというと、Zスコア(SD)曲線に沿って増えていくのが通常で、成長曲線が上下したり、何カ月も真横に伸びた後に急に直角的に急上昇したりなどの変則的な変化はしないということですね。

 

つまり、注意が必要なのは、Zスコア(SD)曲線を横切るような角度で成長している場合です。

例えば、3000 gくらいで産まれた男の子が、月齢1カ月の時点で3500 gくらい、月齢2カ月の時点で4000 gくらい、というように、徐々に「低体重」の範囲へ、さらに「深刻な低体重」の範囲へと横切るように変化している場合は、何か問題を抱えているサインかもしれません。

(性別や、出生体重によっては、月500 g増えれば順調な赤ちゃんもたくさんいます)

 


<最後に>

赤ちゃんの成長のチェックは、専門家に頼りたいのが本音だけど、「1カ月で1 kg以上増えるべき」だとか、「30 g /日以上のペースで増えるべき」だとかを根拠に、体重不足と判断されることも多いので、お母さん自身がグラフの読み方を知ることはとても重要です。

 

さらに、母乳で育てている場合、「体重不足=ミルク補足指導」になりがちですが、ここは頼る専門家を分けて対処できるとベターです。

つまり、本当に体重の増え方が少ないなら、まず母乳に詳しい母乳外来などを探して、授乳の指導をしてもらえると、「体重不足」と「哺乳不足」を両方改善することが期待できます。

母乳育児に詳しい専門家が見つからなかった場合は、ミルク補足をしつつ、母乳の生理学を学ぶことが、母乳育児を軌道に乗せる助けになります。

 

簡単・正確に体重推移を評価する方法

WHOは、「赤ちゃんの成長曲線がどんなカーブを描くか」を重要視しています。スタンダードカーブに沿っていればOKで、平均より多いか少ないかは気にしなくていいのです。WHOの成長曲線は、基準となるスタンダードカーブが複数描かれているので、自分の赤ちゃんの体重推移をチェックしやすくできています。

成長曲線から、利用できる成長曲線や、どうやって評価したらいいのかなど、詳しい情報を得ることができます。母乳が足りない不安感は、母乳不足感も参考にどうぞ。

書籍「ちょっと理系な育児 母乳育児編」に、母乳不足感を打ち消すための科学的知識がまとめられています。

 

 

2017/2/21更新

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