結核と母乳育児|授乳OKな薬・NGな薬|WHO

WHOが発表している、「授乳中に飲める薬と飲めない薬」の一覧表のうち、結核治療に使われる薬が、授乳にどのような影響を与えるかのリストです。

 

WHO必須医薬品リスト第11版「母乳育児と母親の薬物療法」

6.2 抗菌薬

一般情報:薬剤が母乳中に移行する場合、赤ちゃんの腸内細菌バランスを変えてしまう可能性があります。赤ちゃんに鵞口瘡や下痢などの胃腸障害が出ないか観察しましょう。もし生じた場合は、服薬を中止し、必要なら代替薬を選びましょう。授乳は続けましょう。

 

6.2.4 抗結核薬

一般情報:赤ちゃんに著しい黄疸が表れた場合、可能なら、薬の服用を中断するか、別の薬に変えましょう。それが不可能なら、赤ちゃんには人工栄養を与えることを考える必要があるかもしれません。

 

●エタンブトール/ エサンブトール

商品名:エブトール、エサンブトール

授乳と両立できます。赤ちゃんに黄疸が見られないか観察しましょう。

 

●イソニアジド/ イソニコチン酸ヒドラジド

商品名:イスコチン

授乳と両立できます。赤ちゃんに黄疸が見られないか観察しましょう。

 

●イソニアジド+エサンブトール

授乳と両立できます。赤ちゃんに黄疸が見られないか観察しましょう。

 

●ピラジナミド

商品名:ピラマイド

授乳と両立できます。赤ちゃんに黄疸が見られないか観察しましょう。

 

●リファンピシン

商品名:リファジン、アプテシン、など

授乳と両立できます。赤ちゃんに黄疸が見られないか観察しましょう。

 

●リファンピシン+イソニアジド

授乳と両立できます。赤ちゃんに黄疸が見られないか観察しましょう。

 

●リファンピシン+イソニアジド+ピラジナミド

授乳と両立できます(※)。

 

●リファンピシン+イソニアジド+ピラジナミド+エサンブトール

授乳と両立できます(※)。

 

●ストレプトマイシン

授乳と両立できます。赤ちゃんに鵞口瘡や下痢が見られないか観察しましょう。

 

相補薬

●チオアセタゾン+イソニアジド (A)

授乳と両立できます(※)。

 

適応症が制限されるもの :

多剤耐性の結核治療のために薬を用いる場合は、“the main text of the Ninth report of the WHO Expert Committee”の第9章を参照のこと。

 


※ 結核に感染している授乳中の女性には、フルコースの抗結核化学療法を行いましょう。タイミング良く、適切に化学療法を行うことが、結核菌の母子感染を防ぐ最善の方法です。

全ての抗結核薬は授乳と両立でき、それを服用していても、安全に赤ちゃんへの授乳を続けることができます。お母さんは赤ちゃんと一緒に過ごし、通常通りに授乳するべきです。赤ちゃんにはイソニアジドの予防的投与とBCG接種をしましょう。

(引用元:Maher D, Chaulet P, Spinaci S, Harries A. Treatment of tuberculosis: Guidelines for national programmes. 2nd edition 1997 Global Tuberculosis Programme, World Health Organization. Geneva, Switzerland.)

 

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