胎盤の最後の仕事とは?(分娩後)
赤ちゃんが産まれると、胎盤はその役目を終えますよね。
ところが、実は、産まれた後にも、最後に重要な仕事があったのです(前回の記事の続き)。
分娩後も、へその緒の脈拍は、1-3分間続き、この間に、胎盤中の血液を乳児に送ることができる(最初の1分ほどでほとんどを渡し終える)。
へその緒をクランプするのを遅らせると、分娩時に赤ちゃんが鉄分を得る量が増え、月齢2カ月時点でのヘモグロビン濃度が上昇することが分かっている。
クランプを2-3分遅らせることで、体重1 kgあたり40 mlの血液を追加できる
…出生時、体重3.2 kgでヘモグロビン濃度が170 g/Lの乳児がこの血液量を追加された場合、貯蔵鉄に75 mgの鉄分を追加することができる。これは、月齢6-11カ月の乳児で3カ月分以上の必要量に匹敵する。
<原文>
7. Chaparro CM et al. Effect of timing of umbilical cord clamping on iron status in Mexican infants: a randomised controlled trial. Lancet, 2006, 367:1997–2004.
お腹の中で、ずっと赤ちゃんを育ててくれていた胎盤は、赤ちゃんが外界に出た瞬間にも、
「最後に自分に残っている血液を赤ちゃんに渡してから、お役御免!」
となるメカニズムがあるってことなんですね。
しかも、クランプを遅らせることで赤ちゃんに悪影響はなかったそうです。
貧血についてのさらなる情報は、タグ#貧血からもどうぞ。
WHOの引用先の記事※母乳の鉄分は少数精鋭!母乳のビタミン・ミネラル
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