乳腺炎治療①治療に欠かせないカウンセリングとは|WHO

治療

カウンセリングと聞くと、「精神的な悩みを聞いてもらうこと」というようなイメージがあるかもしれません。

しかし、WHOの文献では「ある困難を解消するために、必要な情報を共有する作業」というようなニュアンスで使われていて、医療にも欠かせないものとされています。

 

どういう点に気をつけたらいいのでしょうか。

乳腺炎;原因と対処法, World Health Organization

9.2 乳腺炎

患者に寄り添ったカウンセリング

乳腺炎は痛みが強くストレスが大きく、多くの女性は非常に体調が悪くなります。

効果的な治療と痛みの緩和に加えて、精神的なサポートが必要です(167)。

 

もしかすると、患者は、他の専門家たちからすでに矛盾したアドバイスをされているかもしれないし、授乳を止めるようアドバイスされているかもしれないし、あるいはこれまで何も適切な指導を受けることができなかったかもしれません。

患者は混乱したり不安を感じたりしている可能性があり、母乳育児を続けるのは嫌だと感じているかもしれません。

 

患者が母乳育児を続ける自信を取り戻す必要があります。

続けても大丈夫ということ、症状がある乳房から授乳しても赤ちゃんには悪影響はないということ(Section 10参照)、乳房の形と機能は回復するということを説明します。

この困難を乗り越えるだけの価値はあるという励ましが必要です。

 

治療に必要な全ての処置と、症状がある乳房から授乳や搾乳をする方法について、明確な指導が必要です。

完全に回復するまで、サポートと指導を継続するためにフォローアップする必要があるでしょう。

 

9.3 乳房膿瘍

母乳育児のサポート

乳腺炎や乳房膿瘍がひと段落した後に、母乳育児を続けるか止めるか、いつまで続けるかは、その母親本人が受けたカウンセリングやサポートに一部かかっています(9)。

ガイダンスと医療的、精神的なサポートを十分に受けられた場合は、症状は完全に回復し、その後の授乳も問題なくできます。

しかしガイダンスやサポートが不十分だった場合は、二度と母乳育児をしたいとは思わないかもしれません。

 

女性の乳房膿瘍を扱う医師をはじめとして様々な医療従事者は、今後も母乳育児を続けられること、授乳しても赤ちゃんに悪影響はないこと、今後何人子どもを持ったとしても母乳育児できることを、自信を持たせるべきです。

どうすればそのようにできるか、どのように症状をマネジメントしていくか、説明するべきです。

 

 

カウンセリングのポイントをまとめると…

・いきなり結論を押し付けずに、相手の状況をよく聞く(人によって最適解は違う)

・効果のある対処法を提案する(新しく得た科学的根拠やフィードバックを参考に、以前と方針が変わってもおかしいことではない)

・安心して母乳育児を続けるための情報を提供する(治療中のことや、治療後のことを不安に思っている人は多い)

 

母乳育児は知識は深く、試練は小さく

母乳育児は、知識が深いほど、試練は小さくなります。

WHOが提唱するカウンセリング方法については、栄養法のカウンセリングスキルに、より詳しい説明が載っています。

 

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