代替栄養が妥当な赤ちゃんの状態
母乳以外の代替栄養(粉ミルクなど)が必要な赤ちゃんもいます。
WHOのガイドラインには以下のように書かれています。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
添付資料1 代替栄養を利用することが妥当な医学的理由
母乳や他のミルクも飲んではいけない、特別な人工栄養が必要な赤ちゃん
- 古典的ガラクトース血症(※1)の赤ちゃん
乳糖の入っていない、特別な栄養が必要です - メープルシロップ尿症の赤ちゃん
(アミノ酸の)バリン・ロイシン・イソロイシンが入っていない、特別な栄養が必要です。 - フェニルケトン尿症の赤ちゃん
(アミノ酸の)フェニルアラニンが入っていない、特別な栄養が必要です
(慎重に管理を行ったうえで、いくらか授乳することができます)
母乳が一番の選択肢ですが、限られた期間だけ、母乳に加えて他の栄養も必要な赤ちゃん
- 出生体重が1500 g未満の赤ちゃん(極低出生体重児)
- 妊娠32週未満で生まれた赤ちゃん(早産児)
- 低血糖症の危険性がある赤ちゃん
生まれたばかりの赤ちゃんの血糖値が低過ぎて、直母することも搾乳を飲むこともできない場合は、
代謝障害や、何らかの原因によってグルコースが大量に必要になったことで、低血糖症になっている危険性があります。考えられる原因:早産、在胎期間が短い、分娩時に著しい低酸素状態や虚血状態になった、病気にかかっている、お母さんが糖尿病など(5)
※1 古典的ガラクトース血症とは
乳糖を分解したときにできるガラクトースを代謝できない、先天性炭水化物代謝異常症の一つです。
「乳糖不耐症」とは別のもので、症状も深刻なものです。
WHOは授乳することと代替栄養を使うことの利点とリスクをはかりにかけたうえで、指針を決めています。
上記の場合は、ちゃんと考えたうえでベストの選択として代替栄養を用いることを推奨しているので、赤ちゃんの健康と成長のために必要なことなのですね。
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