【告知】厚労省の研究会に参加しました

厚労省が出している「授乳・離乳の支援ガイド」を啓蒙するための研究会に参加させていただきました。
授乳離乳の支援ガイド策定から関わっていらっしゃる、そうそうたるメンバーの中に突如現れた、
肩書き「ブロガー」の女。。。。
いや怪しすぎる。
という感じで、私なんかが発言などしていいのかと心配でしたが、
「ちょっと理系な育児」の書籍をお持ちの方も何名かいらっしゃり、「もっと当事者の話を聞かせて!」と、とても好意的に受け入れていただきました(安堵)。
Twitterアンケート結果
今回、私は(特に母乳育児に関する)現場の声を届ける担当だったので、リアルな状況を可視化したいと思い、Twitterでアンケートを実施し、その結果を「全て」委員会にて報告させていただきました。
その内容をこちらにまとめたいと思います。のべ19,347人の方にご回答いただきました。
今回の研究会のテーマは「乳児の栄養法に関する困りごとを減らしたい」。
ということで、実際に母乳育児に関してどのくらい困っているかを伝えたいと考え、以下の質問を設定しました。
①あなたは、母乳育児をする中で、何か困った(悩んだ)経験がありますか?
その結果、まずは、9割の女性が、母乳育児をしている中で困った経験があるということが分かりました。
とても多いです。
続いて、困った経験をした女性がそれをどう乗り越えているのか、あるいは乗り越えられない現状について委員の方々に知っていただくために、いくつか質問を設定しました。
以下は、母乳育児で困った経験がある方に質問です。
②母乳育児で困った時に、 専門知識を持ってサポートしてくれる専門家(産科医、助産師、保健師、小児科医、看護師)に出会うことはできましたか?
出会えた方が4割近くいてよかったですが、探していない方を含めると、何かトラブルや悩みがあったとしても、専門家に頼らず自力で頑張っている方がメジャーだという状況がうかがえます。
③母乳育児で困ったことを「解決できた」経験がある方に質問です。どうやって解決しましたか?
※それをきっかけに母乳をやめた場合は、次の「解決できなかった」アンケートで、回答をお願いします
こちらは、母乳育児の困りごとが解決できた方の回答です。
専門家と解決できた方は3割にとどまる一方、時間が解決することがもっとも多い状況のようです。
④母乳育児中に困ったことを「解決できなかった」経験がある方に質問です。 それを専門家に相談しましたか?
一方、こちらは解決できない母乳育児の困りごとがあった方の回答です。
なんと、解決できない困りごとがあるにも関わらず、専門家に相談せずに、我慢して過ごしている方が最も多いという結果になりました。日本では、母乳育児について相談するのはあまり一般的ではなく、乳腺炎など顕著な症状が出たら、治療のために医療機関を受診する傾向がありますよね。
専門家に相談した方も含めて、7割の方は困ったことがあっても我慢しながら母乳育児を続けているということがうかがえます。これでは、「母乳育児=我慢と根性」というイメージが根強くなるのも、無理はありません。
続いて、母乳育児を継続することが難しい現状を可視化するために、いくつか質問させていただきました。
⑤あなたは、母乳育児をやめたいと思ったことがありますか?
母乳育児をやめたいと思ったことが何度もある方が、最も多い結果になりました。
私自身も、第一子を出産して退院した初日に、現実の母乳育児のハードルの高さに、「え!?ムリムリ!もうやめたい!」と思ったので、よく分かります。
また、これは困ったことがある方に対してのアンケートなので、「困ったことはあるけど辞めたいと思ったことがほとんどない」方も、3割もいらっしゃることが分かります。
実際の母乳育児には、「単なる栄養補給」を超えた様々な要素が関わってくるので、「無理せずやめればいいじゃん♪」という簡単な話ではないことも、関係しているかもしれません。
以下は母乳育児をやめたいと思ったことがある方に質問です。
⑥一番やめたいと思った時期は、いつ頃ですか?
こちらは、子どもの月齢によって母乳育児の悩みも移り変わることを踏まえ、母乳育児の立ち上がり時期、補完食が始まる時期、卒乳がからんでくる時期に分けて、選択肢を設定してみました。
アンケート結果からは、母乳育児の立ち上がりが最も辞めたくなる時期ということが分かります。
委員会でも、これまでの設問の結果を受けて、「やはり、母乳育児には、産後すぐの女性のサポートが大事なんだね」という声が何度も聞かれました。
⑦母乳育児をやめたいと思った、あるいはやめるきっかけになった、一番大きな理由はなんですか?
こちらも、委員会で反響が大きかったアンケート結果です。
まさか、肉体的な理由で母乳育児をやめたくなる人がいるとは、あまり思われていませんでした。
委員会の印象
今まで、「国は母乳育児を支援する気はないのでは…?」「むしろミルクが売れるようにしようとしているのでは…?」と勘ぐってしまいたくなっていましたが、「本当に、産後の女性たちがどういうことで困っているか分からない」という状況だったようです。
このアンケート結果も、想像以上に高い関心を持ってくださり、時には驚きをもって受け入れられていました。
たとえば、当初は、「授乳の痛み」などの対策は、あまり需要がないだろうとの考えで、軽く扱う予定だったそうです。
しかし、このアンケートの、「半数近くが、肉体的な理由が一番ツラかった」という結果を受けて、
乳房トラブルの対処法もしっかり扱った方がいいのではないかと、その場で方向転換が決まるなど、
このアンケートに答えてくださった方々の声が、ダイレクトに反映されていました。
完成品について
委員会では産後の女性向けのパンフレットを作成し、全国の自治体で配布していただくことになっています。
時期やテーマによって、全部で5つの資料にまとめられています。
一般的に、母親向けのメッセージは、「上から目線で指導」という形式が取られることも多いですが、あくまで提案であり命令にはならないよう、言葉遣いにもこだわりました。
完成したものは、こちらからご覧になれます↓
すでに全国自治体に配られているそうなので、ご覧になった方も多いかもしれません。
昔ながらの迷信を吹き飛ばしてくれる内容がたくさんあるので、産後の女性ご本人だけでなく、ご家族や医療関係者の皆さまにも参考になれば幸いです。
※離乳食の詳細に関しては、今回はほぼノータッチです。
ご協力くださった皆さま、本当にありがとうございました!!
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