母乳は免疫学的に2歳以上まで重要

「いつまでおっぱいを飲ませていいの?」と迷っていたら、ちょっと読んでみてください。(前回の記事の続き)

 

<免疫的要因>

多くの人々は、母乳には赤ちゃんにとって免疫学的な利点があることを知っていますが、そのプロセスを理解している人は少ないです。

 

普通の赤ちゃんは、産まれたときは免疫システムが未熟で、2歳から6歳にかけて成熟します。

母乳についてあまりよく理解されていないことの一つは、母乳には、幼い子供の免疫システムが完全に成熟するまで補う役割があることです。

 

新生児にとって、初乳は抗体とイムノグロブリンがギュッと詰まったもので、赤ちゃんが産まれた直後に追加のワクチンを接種するようなものです。

 

病気になった赤ちゃんは、哺乳頻度が増えることが多いですが、研究者たちは、しんどいのを癒すためだけでなく、お母さんの乳房を通じて、利用可能な抗体と免疫的な要因を取り込む量を増やすためもあると考えています。

赤ちゃんたちは、自分がウイルスやバクテリアにさらされていることを「知っている」ようで、それと戦うためにはより頻繁に哺乳することが必要だということも分かっているようなのです。

もっとも重要なことは、赤ちゃんたちは、親が病気が悪化しているのに気づく前に、察知しているということです。

 

0歳や1歳、または2歳代で乳離れさせたお母さんでさえ、以前より病気になることが増えたことに気づくでしょう。

または、乳離れさせて初めて、

「母乳の免疫学的な利点は一定期間が過ぎても消滅していなかったんだ」

ということや、

「乳離れさせたとしても、結局スケジュール通りにはいかないのか」

ということに気づくことになるでしょう。

 

<原文>

Lisa Marasco, BA, IBCLC and Jan Barger, MA, RN, IBCLC. Examining the Evidence for Cue feeding of Breastfed Infants

 

気軽に断乳をアドバイスされることが多いですが栄養学的にも、免疫学的にも、精神学的にも、おっぱいを別のもので補おうとすることは、実はとても労力がいるとは、あまり知られていません

 


<赤ちゃんの看病に母乳が大活躍な3大理由>

  1. 赤ちゃんが戦っている感染源を、ピンポイントで攻撃できる免疫物質を、母乳を通じてたくさん渡すことができます。

  2. 子どもの食欲が全くなくても、食事よりも質の高い栄養素(病気の回復に必要)を、飲むだけで簡単に補給することができます。

  3. 夜中でも、なんなら寝ながらにして、水分、栄養、病気と戦うための免疫物質を、簡単に補給することができます。

 

おまけ:「授乳という行動」そのものも、病気の早期発見になる(=悪化しにくい)と感じます。

おっぱいをくわえた時の口の温度で、手で触っても分からないような微熱段階で気づけたり、よく観察しないと気付かないような小さな発疹や、耳アカ(耳のトラブル)などが発見できたり。

私は、スキンケアや爪切りなどのお手入れも、授乳中によくやっていました。

関連記事

母乳には、保育園でもらった病気にも対抗できるシステムがある

「母乳の免疫は半年でなくなる」はウソ!母乳の抗感染因子

書籍「ちょっと理系な育児(母乳育児編)」にも、母乳と免疫、長期授乳についてのWHOガイドラインなどの情報がまとめられています。

 

2017/5/12更新

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コメント

    • 匿名
    • 2014年 12月 18日

    私は娘が3才になる直前に卒乳しました。二歳以降は寝かしつけの時だけだったので、おっぱい無しでもコテンと寝てくれていることが増えて、授乳すると寝つきが悪くなってしまったからです。
    何日かあげていないと、出なくなったようで、娘もおっぱいを口に含みながら「おっぱい出ないね~。」で未練がありつつも泣くことはなく、あっさりでした。
    3才まではほとんど風邪をひくこともない健康優良児だった娘ですが、卒乳後はとにかく風邪をひいては中耳炎になり、治ったと思ったらまた中耳炎になりの繰り返しです。聴力の精密検査を受けた所、片耳が軽度難聴になっていました。
    まだ卒乳して4カ月なのに恐ろしいです。
    また、よかったら抗生物質についての考え方も教えてもらえますか。
    私は本人が飲めない、と言うものは無理矢理飲ませず、飲みやすい抗生物質を出してもらっていますが… 。

    • 「寝る時に習慣的に欲しがるけど、結局おっぱいでは寝ない現象」、私も体験しました。
      卒乳の前触れの一つなのでしょうかね。興味深いです。

      繰り返す中耳炎、心配ですね。
      風邪が原因の中耳炎予防は、とにかく鼻水を除去することが重要で効果的!だと個人的に感じています。
      抗生物質の考え方とは、どんなことを心配されていますか?

    • ムギメシ
    • 2016年 8月 16日

    初めまして、いつも読ませていただいてます。
    2歳7ヶ月と生後2週間の子がいます。いろいろなサイトを読んでまわって、自然卒乳をしようと思い、可能ならば4〜5歳くらいまで飲ませたいと思っていました。
    ところが、全く生理が規則的に来ず、2人目妊娠が難しいという状況で、こちらのサイトの、6時間断乳(?)を実施したところ、生理が規則的に来るようになり、程なく2人目妊娠し今に至ります。

    ところが、6時間をあけるようになり、母乳分泌が段々少なくなってきたようで、2歳ころにはもうほとんど出なくなってしまいました。それでもちょこちょこ咥えていたのですが、吸うというかチョロチョロ舐めるような感じで、吸われるのがものすごく不愉快になったのです。変な話、性的な嫌悪感のような感じです。
    でも妊娠中に断乳なんて、子どもの精神衛生上良く無いと思って我慢していました。産後は、この嫌悪感もなくなるのではないか…と期待して…
    ところが、産後も、下の子に授乳するのは平気なのに、上の子が吸うとやはり気持ち悪いのです。
    今、上の子が赤ちゃんがえりで、妊娠中の断乳より更に良くないと思い、ガマンしているのですが…

    長くなりましたが、この嫌悪感の正体って一体なんなのでしょうか?いろんなサイトで、似たような状況の人の体験談を読みました。
    断乳はしたくありません。この嫌悪感から脱するよい手立ては無いものでしょうか??

    • 経験談を教えてくださりありがとうございます。

      お子さんの要求にできるだけこたえていきたいと考えてはいるものの、授乳をすると原因不明の嫌悪感を感じることに戸惑っていらっしゃるんですね。
      授乳中の嫌悪感は私も経験があるので、よく分かります。少なからずの女性が経験しているんじゃないかと想像しますし、原因と対処法を明らかにできたらいいなと私も思っています。ただ、今は時間に余裕がないので、そのテーマに着手できるのはずっと先になるかもしれません。なかなか時間が取れずに私自身もどかしい日々なのですが、明確な答えのない中でも、ムギメシさんが自分なりの道を開拓されていけることを祈っています。

      個人的には、自分の気持ちに余裕がない時に嫌悪感を感じやすかったのですが、ムギメシさんは、日々の周囲のサポート状況はいかがでしょうか。

      また、もし、「24時間毎日授乳が辛い」なら前向きな方法で回数を減らしてみる、もし、「時々授乳が苦にならないタイミングがある」なら、どんな条件だと大丈夫なのか分析して再現できるようにもっていってみる、などいかがでしょうか。

      私たちは神様ではなく人間なので、育児に限らず辛いことは辛い、嫌なことは嫌だと思うのは大切なことだと思います。その中で、「子どもの要求に振り回されずに大人が子どもをコントロールしするべき」ということでもなく、「子どものためにガマンするのが良い母親だ」ということでもなく、どちらも大切な人間同士のやり取りと考えて、お互いの気持ちを尊重しつつ、少しでも快適なやり方を模索できるといいんじゃないかなと思いますがいかがでしょうか。

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