ミルクの減らし方と母乳の増やし方|基礎中の基礎

医療スタッフに、「ミルクも飲ませて」と言われることは多いものの、いつまで、どのくらい飲ませればいいのかは、教えてくれないことが多いですよね。

でも、そのままにするとだんだん母乳が出なくなることも少なくないので、できれば母乳で育てたいと思っている場合は何に気をつけたらいいのか、どんなやり方があるのか、ポイントをまとめます。

やり方はいくつかあると思いますが、

基本は

①補足はコップで飲ませる

②直母→搾乳→ミルクの順で飲ませる

になると思います。

①補足はコップで飲ませる

あまり知られていませんが、哺乳瓶には、赤ちゃんのおっぱいの飲み方が下手になるリスクがあります。

なので、いきなりゼロにするのは難しいかもしれませんが、できるだけ哺乳瓶の使用回数を減らすことを目指します。

コップを使う授乳(カップフィーディング)は、新生児はもちろん、低出生体重児や先天性異常などで直母が難しい赤ちゃんでも利用できる、優れた方法です。

一般的に、コップを使うかどうかに関係なく、赤ちゃんにとって最適なペースで栄養を補給するには、時間がかかります
つまり、赤ちゃんのお世話をする人が、お世話をするために十分な時間が必要ということです。
周囲は、その時間を確保するために、その他の用事(家事・家庭内外での仕事や、上のこどものお世話など)のサポートをすることができます。

②直母→搾乳→ミルクの順で飲ませる

直母について

直母は、お母さん本人に無理のない範囲で、好きなだけできます(1日10~20回、一回あたり30分くらいまでなら、妥当と考えられる)。

とは言え、体や乳房に痛みを感じる場合や、毎回の授乳に30分以上かかる場合は、やり方がよくないので、ポジショニングをチェックしてみてください。

搾乳について

手搾りなら、コップに搾乳してラップで密閉し、室温放置できます。

搾乳器の場合も、ボトルにフタをするかコップに移し替えて密閉すれば室温放置できます。

赤ちゃんに飲ませるときは、温めたりせずに、コップでそのまま飲ませることができます。

使うコップは、家庭にあるもので大丈夫です(軽くて小さめのコップがやりやすいかも)。

石鹸でよく洗って完全に乾燥させたものであれば、消毒せずに使えます。

1回の搾乳量が50 mL以上の場合は、大きめのコップに搾乳しておいて、小さめのコップに移しながら飲ませるとやりやすいかもしれません。

搾乳のタイミングも、直母と同じように、無理のない範囲で、好きなタイミングでできます。

たとえば、【3時間おきに乳房が空になるまで頑張る】よりも、【簡単に搾れる分を1日10回以上ちょこちょこ搾乳する】方が、楽な場合もあるかもしれません。

直母と同様、搾乳も、母子の組み合わせによって、1日の回数・1回にかかる時間・1回の搾乳量はバラバラになるのが自然なことです。

量を増やすコツや基本的なテクニック、保存時間などの情報は、搾乳から得ることができます。

コップや直母で飲まない悩みはこちらもどうぞ→飲まない

ミルクについて

コップで飲ませる場合は、赤ちゃんはお腹がいっぱいになったら、飲むのをやめるでしょう(哺乳瓶の場合は、飲みすぎて母乳を飲む量が減る可能性がある)。

なので、母乳を優先的に飲ませていれば、赤ちゃんが欲しがるだけ飲ませても大丈夫かもしれません。

母乳で育つ赤ちゃんの1回の哺乳量の平均は約100 g(赤ちゃんの1回の直母量の平均値参照)なので、1回のミルク量は、多くても100 mL以下で十分かもしれません。

ただし、毎回の直母量・搾乳量を計測して、100 mLに合わせる必要はありません。実際に赤ちゃんが必要とする量は、0 g ~ 200 gくらいの間で、毎回違うからです。

1日トータルでミルクを飲む量が減ってくれば、うまく直母できるようになってきたサインです。

1日トータルでミルクを飲む量が増えている場合や変わらない場合は、授乳回数・授乳にかかる時間が少ないことや、ポジショニングがよくないことが考えられます。

哺乳量が足りているかの見分け方

赤ちゃんの体重推移を1週間おきにチェックして、成長曲線のスタンダードカーブに沿って増えていれば、十分に飲めているサインです。

体重が増えない場合は、飲む量が足りないサインです。

ご覧のように、ここでは具体的な回数や量、時間を指定していません。母乳育児は十人十色で、最適解はそれぞれ違うからです。

ここでは基礎中の基礎をまとめているので、自分たちの授乳回数などについての不安は授乳パターンを、母乳が出ていない不安は母乳不足感をご覧いただけると、役に立つ情報がいろいろ見つかると思います。

※情報をまとめるために使用した参考文献は当記事中の各リンク先参照

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