妊娠中・授乳中の食事|肉・乳製品・油のススメ

母乳は、お母さんが摂取した栄養素や、お母さんの体内で作られた成分で作られます。

 

ということは、普通に考えると、お母さんは母乳をあげればあげるほど、栄養不足になりそうですよね。

でも、そうならないための仕組みもあるようです。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第8章 母親の健康

8.2 母親の栄養法(3)

 

母乳中のいくつかの栄養素は、妊娠中にお母さんの体に蓄えられたものからまかなえられます。

それ以外の栄養素は、お母さんが摂取量を増やしてまかなう必要があります。

 

一般的に、様々な食材(肉・魚・油・ナッツ類・種子類・穀物・豆類・野菜・チーズや牛乳など)をたくさん食べることで、元気よく、丈夫な体になる手助けになります。

 

お母さんの食文化の中で食べ物にタブーがあるかどうかを判断し、有害なタブーに対してはアドバイスをすることが重要です。

妊娠中・授乳中の女性はその地域の食事で食べられる通常の食材は、なんでも食べることができます。

そのような食べ物は、母乳を飲んでいる赤ちゃんに害はないと考えられます。

 

妊娠中の食事のポイント

妊娠中の女性は、授乳によって自分の健康を削らなくて済むように、いつもより余分に栄養素を蓄えておける仕組みがあるんですね。

現在は妊娠中の厳しい体重管理が一般的になっていますが、体重だけに注目すると栄養不足になる危険性があるので、食事内容(主食、動物性食材、緑黄色野菜、豆類、乳製品、油脂の食べ方に偏りがないか)に注目できるといいかもしれません。

 

授乳中の食事のポイント

食べ物に対するタブーは、宗教的なものも含めさまざまなものがありますが、日本では「授乳中は肉類、乳製品、油脂はNG」といわれるような、俗説的なものもあります。しかし、WHOのガイドラインの中でも何度か触れられていますが、母乳の質や量は、母親の食事内容の影響を受けないことが分かってきました。

授乳中の女性は、母乳のためではなく、自分の健康のために、肉類、乳製品、油脂を含めた栄養豊富な食事が必要になります。

 

 

 

授乳することは母体にもメリットが!→※母乳を飲んでいると中耳炎も軽く済む!母乳育児のメリット

お母さんが十分な栄養が摂れていない場合は?→※お母さんの食事の栄養バランスが悪い場合、母乳の質はどうなる?

2017/4/15更新

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コメント

    • トガネ
    • 2018年 6月 03日

    はじめまして。
    現在妊娠8ヶ月で、子持ちの姉に勧められ、「ちょっと理系な育児 母乳育児篇」を拝読しました。
    母乳育児については全くの無知で、大変勉強になりました。
    その中で少し疑問があり、こちらでコメントさせていただきます。

    この記事の中でも「母乳の質や量は、母親の食事内容の影響を受けない」とありますが、本の「よく泣く赤ちゃん」の中で「お母さんが食べたものに敏感に反応している(P94)」とあります。
    「その地域で食べられるものは基本的に食べていい」のに、「(本の続き)どんな食べ物でも起こりえますが、牛乳、大豆、卵、ピーナッツが原因のことが多い」と。これらは、アレルギーになりやすい食品ですよね?しかしほとんどの地域で食べられてるものだと思います。
    また「(本の続き)カフェインやタバコに含まれる物質も赤ちゃんを混乱させます」と。
    食べたものが「母乳の質」に影響がないのであれば、極論アルコールだって飲んで大丈夫ということになりませんか?
    また、友人の話ですが、生卵を食べた後に母乳をあげたら赤ちゃんに発疹が出た、と言って生卵を食べるのを止めていました。

    「母乳の質(や量)は、母親の食事内容の影響を受けない」に矛盾を感じます。

    このへん分かりやすく解説があると有難いなと思い、コメントさせて頂きました。
    既に記事があったらすみません、ブログは記事が多く探しきれませんでした…。
    以上、長々と失礼しました。

    • 「母乳の質」の定義についての、ご質問ですね。
      おっしゃるように、アレルゲンの成分や、アルコール、ドラッグなどの成分は、一部、母乳の中に出てきます。
      「母親の食事で母乳の質はほとんど変わらない」という注釈がなぜわざわざついたかと言うと、「母親が洋食を食べると母乳の質が悪くなる」「ジャンクフードを食べると母乳が腐る」「和食を食べると質の良い母乳が出る、母乳が増える」などの迷信に対抗するためではないかと考えています。

      また、アレルギーがあるわけでもなくアレルゲンとなる食材を避けたり、上記の高カロリーな食材を避けたりすることを含めて、授乳中に医学的根拠なく食事制限をする習慣が広く広まっているので、「なんでも食べていいのだ」とわざわざ注釈がついたのだと解釈しています。

      アレルギー反応を示す子どもにアレルゲンとなる食材を避けることを含めて、【医学的根拠のある食事制限】とは、分けて考えるべきことですね。

      母乳育児界には迷信がたくさんあるので、時には不思議な角度からの説明をしなければならないこともあり、迷信を知らない人にとっては余計なお世話な情報もあるかもしれません。

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