新生児訪問や乳児健診に、家族や祖父母も同席させる?

赤ちゃんが産まれた後は、授乳や補完食(離乳食)、子どもの成長や健康をチェックするために、専門家が継続的に支援することが必要です。

その目的や支援の仕方についてのガイドラインです。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

5章 乳幼児の栄養法の継続的支援

5.1 地域における母親のサポート

お母さんには、以下のような目的のために、熟練したスキルを持つヘルスワーカーによる継続的な支援が必要です。

  • 母乳のみ与えることを維持するためと、母乳育児を継続するため
  • 母乳育児が不可能になった場合には、別の栄養法を実践するため
  • 子どもが月齢6カ月以上になったら、正しい補完食を確立するため(1)
  • 子どもが病気になった場合は、子どもに授乳を続けるため

これらのサポートは、地域やプライマリーケア施設や病院の小児科など、様々な施設において訓練を受けたスタッフがすることができます。

 

お母さんを支援する際は、お母さんの家族ともそれぞれの意見を尊重しながら話し合うことで、正しい栄養法のアドバイスを理解してもらえるようにするべきです。

それに加えて、別の角度から見た正しい乳幼児の栄養法の大切さについての情報を共有することで、それを自覚してもらうこともできます。

例えば小中学生を巻き込んだ活動を行ったり、他の部門のスタッフに参加してもらったりしてもいいでしょう。

 

このように、乳幼児の栄養法を促進し、支援するために、多岐にわたるアプローチを行うことが、多くの場合は効果的なことが示されています(3)

 

つまり、出産直後に授乳の支援を受けるだけでなく、その後もいろいろな困難や赤ちゃんの成長に伴う変化が起こり続けることが多いので、何度も適切な栄養法のチェックをしていくことが重要ということなんですね。

 

お母さんの家族(=赤ちゃんと接する可能性のある人々)にも正しい栄養法のやり方について理解してもらうことは、とても意味のあることです。

WHOが指摘しているように、身近な人たちが間違ったアドバイスをしてしまう問題があるからです。

育児に関する周りの手出し口出しに困っていませんか?

2017/4/7更新

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コメント

    • 田子亜希子
    • 2014年 3月 23日

    はじめまして。私は小児科で看護師として働いている2児の母親です。長男の出産とともに母乳育児の困難さにぶつかり、それでも信頼できる助産師と出会い、母乳育児の奥深さを知り、楽しく母乳育児をしてくることができました。2人の子供は4歳まで母乳を楽しんでいました。新たにお母さんになる人々が自信を持って母乳育児ができるように支援したいと思い、勉強中です。
    現在、正しい知識があまりにも知らされていないことに困惑しています。
    母乳育児支援、WHO,BFHなどなど、検索していたら、このサイトに出会いました。
    こんなに、科学的根拠をもったサイトは初めてでした。多くのママたちがこのサイトに行きつことを願ってやみません。
    そして、私自身、病棟で母乳育児支援をしていくために、学習を重ね、元気に自信を持って楽しく母乳育児ができることを目的に活動していきたいと思っております。これからも参考にさせていただきます。ありがとうございました。

    • コメントありがとうございます(^^)
      小児科の看護師さんに読んでいただけるとは、光栄ですし、嬉しいです。日本では、正しい知識をもって母乳育児支援をされている専門家の方はごくわずかのようなので、田子さんのような存在はとてもありがたく、心強く思っています。

      このブログでは、WHOの許可を得て、「乳幼児の栄養法」を翻訳公開しています。
      目次①-章-WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

      このガイドラインは、医療関連職と医学生向けに作られた公式の教科書なので、母乳育児支援をしたい方にはきっとお役に立てるんじゃないかなと思います(量が多いんですが…)。
      専門職の方から、一言、「頑張ってるね、その調子だよ」と直に言ってもらえることは、お母さんたちにとって何より効果的だと思うので、ご活躍を陰ながら応援させていただきます(^^)

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