連載終了後の感想|ママスタセレクト
ママ向け情報サイトのママスタセレクトさんで、10回にわたって、補完食と母乳育児についての連載をさせていただきました。
その感想などをまとめます。
●反響
今回の連載で、一番反響が大きかったのは、長期授乳についての記事でした(view数とシェア数がケタ違いで多かった)。
その内容は、周囲から何かと母乳のネガティブなイメージを押し付けられていた投稿者さん(お子さんは当時1歳8ヶ月)に対して、「WHOは2歳以上まで続けるように奨励していることと、その理由」を簡単に紹介したものです。
1歳で授乳を終わらせるべきという常識と、実情(赤ちゃんのニーズ)が大きくかい離していることを体感している、多くのお母さんの心に響いたのかもしれません。
いつまで授乳を続けるかは、周囲の声ではなく、自分たちで決めたいものですね!
●印象
読者の方々から質問を募ってそれに回答していく形で記事を書いていたのですが、「どうやったら母乳育児はもっとうまくいくの?」というタイプの質問が、ほとんどなかったことが印象的でした。
理系育児の読者の方々は、「今、上手くいかなくても、何か抜け道があるかも」、という前提でそのようなコメントをされる方が多いですが、
理系育児を読んだことがないような多くのお母さんは、「自分の母乳育児が上手くいかないのは、変えられない事実である」と信じて、改善の余地がある可能性に思い及ばないのかもしれません。
また、連載後半は、母乳育児の悩みを募集しているにも関わらず、ミルクについての質問が非常に増え、なかなか「理想の」育児ができないことに悩んでいるお母さんの声が多く聞かれました。
一般的に信じられている話とは違って、「母乳で育てるから、寝ない・食べない・体重が増えない・母親以外に懐かない」などということはないのですが、迷信的アドバイスを心の底から信じていて、母乳で育てることに自信を持てないお母さんたちの現状も垣間見えました。
こういう、いわゆる赤ちゃんならではの行動を受け入れることが難しいのは、「こうすれば理想の育児ができる」というイメージの存在にも原因があると思いますが、例えば、母親一人の責任で赤ちゃんのお世話や家庭や仕事を回さなければならない非効率的な労働環境や、日常的に気軽に子どもを託して(トイレから外出まで大小さまざまな)やりたいことを実行することは夢のまた夢、という状況が、そもそも人間の処理能力を超えていることも一因かもしれません。
これらはもう、栄養法の話を超えて、育児にまつわるシステムそのものを問う話です。
母親一人だけで子育てはできないという前提をみんなで共有し、赤ちゃんが赤ちゃんらしくいることが許されるシステムを構築していく必要があるでしょう。
●今後のこと
これまで、たくさんの質問をいただいたのですが、連載中に全く触れられなかったテーマもあります。
その中で、すでに、ちょっと理系な育児で記事にしているテーマもたくさんあるので、興味があれば探していただけると幸いです。
※記事テーマ(タグ)一覧はこちらからどうぞ→このサイトについて
まだ理系育児ブログには載せていないもので、今後、ブログで記事化したいなと考えている質問内容もあるので、そちらはもうしばらくお待ちください。
最後に、「育児に関する科学的な情報を発信したい」と考え、このような機会を作ってくださった編集者さんと、様々な試みに果敢に挑戦していただいた懐の深さに感謝いたします!
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