横抱き授乳は難易度が高いと心に留めるべし

赤ちゃんに母乳を飲ませる時に、まっさきに紹介される「横抱き授乳」。もっともスタンダードなやり方として、広く知られています。

これまで、「横抱き授乳してもうまくいかない!」というお母さんたちの多くは、「自分は母乳が出ない体質なんだ」と信じ込まされてきました。ところが、哺乳のメカニズムを考えると、この横抱き授乳自体が、どうやら難易度が高い授乳法のようなのです。

ということで、つまずきやすいポイントと改善点をまとめます。

良くないポジショニング

まず、次のイラストの良くない点が分かるでしょうか。初心者がやってしまいがちなポジショニングにしています。

Fig.26

横抱き授乳の弱点とイラストの問題点

1. ひじに赤ちゃんの頭を乗せたまま吸着させると、あごをひいた状態になりやすい

2. ひじに赤ちゃんの頭を乗せたまま吸着させると、乳房をあご側からくわえさせることが難しい

3. 赤ちゃんの鼻と乳頭の向きが真正面にならずに、乳管が曲がりやすい

4. 図26では首をねじった状態になっている

5. 図26では赤ちゃんのお腹が天井を向いている

特に1~3は、赤ちゃん自身が良いポジショニングを体得して、協力してくれるようにならないと、なかなか超えるのが難しいハードルです。

良いポジショニング

では、どんなポジショニングがいいのか、WHOガイドラインのイラストを例に見てみます。

Fig.9-a

参照※正しい授乳の姿勢(図解)

どこが「良いポジショニング」なのかをピックアップすると…

1.あごが乳房に触れるように下の方からくわえさせ、その状態をキープするように支えている(イラストには示されていない)

2. お母さんから赤ちゃんの顔がよく見える首の角度で吸着させた後に、腕で支えなおしている(イラストには示されていない)

3. 乳房に対して赤ちゃんの鼻が真正面を向き、乳頭が右や左にねじれていない

4. 赤ちゃんの首にねじれがない

5. 赤ちゃんのお腹がお母さんのお腹と向かい合って密着している

横抱き授乳は、イラストには示されていない1と2が肝なのです。

良い授乳の姿勢として紹介されているイラスト・写真などは、母乳育児初心者にとって、どうすればその状態になれるのか?ポイントがどこにあるのか?が分かりにくいので、やっているつもりでできていないことが頻発してしまうのですね。

ポジショニングの詳しい解説

横抱き授乳をするときは、以下のポイントを理解してから、赤ちゃんのポジショニングを調整するといいかもしれません。

1.赤ちゃんのあごは重要→※最も短時間・少ない回数で効率よく哺乳するには

2.乳房をくわえさせる時のポイント→※アヒル口で授乳しても飲めないことがある

3.良い鼻の向きの見分け方→※しこりと母乳不足を一度に解消するポイント

4.首のねじれは重要→※上手に哺乳できる姿勢は限られている

5.良い密着の仕方→※母乳が出る・出ないはポジショニングで決まる

まだポジショニングを体得できていない段階の母子には、【交差横抱き】がやりやすいかもしれません。

ポジショニングは母乳育児を楽にする必須のスキル!

哺乳不足・しこり・詰まり・乳腺炎などのトラブルを根本解決するためには、授乳スキルが重要です。タグ#ポジショニングからチェックしておきましょう。

授乳のタイミングなどについては【母乳育児が軌道に乗るやり方・疑問・悩み】が役に立ちます。

※この記事は現時点でのsumireの知識・経験・考察をもとに書いているので、今後知識や経験が増えるにつれて情報を更新する可能性があります

2017/5/13更新

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