「赤ちゃんの満腹中枢は3カ月頃に完成する」はウソ?

日本では、「産まれたばかりの赤ちゃんには満腹中枢がない」と言われています。

 

そして、

「いつまでもおっぱいにしがみついているけど、それでも足りているの?」

「吐いても飲みたがるけど、飲ませすぎなの?」

などと、「適量」に悩むお母さんは…非常に多いでしょう。

 

「お母さんが、赤ちゃんに適した量を授乳してあげる」というのが基本的な考え方である、「大人主導の授乳」をしていると、足りているのかいないのか悩むことが多いんですね。

 

大人主導の授乳をしていると、「母乳不足感」からの「本当の母乳不足」への道のりが待っていることも多いです。

反対に、母乳過多が進行して、過飲症候群や二次的な乳糖不耐症になることもあるようです。

 

本当に、「大人が摂取量をコントロールする」ことが適切なのでしょうか?

 


<”満腹中枢問題”も、日本独特の”常識”だった?>

赤ちゃんを、条件を変えた2つのグループに分けて、欲しがるままに授乳した場合、哺乳量やカロリー摂取量はどうなるか?を調べた論文などがいくつもあります。

それらをまとめると、赤ちゃんは、月齢関係なく、以下の傾向があるようです。

 

「必要なカロリー(+α)が哺乳できれば、もっと飲めたとしても、それ以上は哺乳しようとしない。」

 

満期産児なら、胎内発育遅延の赤ちゃんも、大きめ赤ちゃんも、産まれて間もないうちから哺乳量を制御する様子が見られるそうです(※早産児は不明。WHOによる推奨法はこちら)。

 

つまり、結論としては、多くの赤ちゃんは自分がどのくらいの間隔で、どのくらい飲めば足りるのか、自分でコントロールできる能力があるということなんですね。

 

一般的には、「赤ちゃんが、哺乳量と母乳の生産量をコントロールする」というメカニズムを活かした、「赤ちゃん主導の授乳」ができると、母乳育児はより軌道に乗りやすく、赤ちゃんもより順調に成長しやすくなるようです。

 

とは言っても、周りからいろいろ言われると、不安になりますよね。

なるんだけど、周囲の声よりも、赤ちゃんの方を信頼する」ということが、赤ちゃん主導の授乳を成功させるためには、とても重要な必要条件であり、この壁はかなり大きいんだけど、乗り越えられるとウソみたいに育児が楽になるかもしれないので、”常識”を一度捨てて、赤ちゃんに集中してみることは、価値があると思います。

 

母乳不足感と満腹中枢について→※直母した後に、大量のミルクを飲み干すのは母乳不足?

赤ちゃん主導の授乳のやり方→※赤ちゃんに優しい病院では、「赤ちゃん主導の授乳」を奨励されます

飲み過ぎが心配な場合→※●母乳過多・過飲症候群・乳糖不耐症まとめ|原因と対処法

 


主な参考文献

1. Fomon SJ, Filer LJ, Thomas LN, Anderson TA, Nelson SE. Influence of formula concentration on caloric intake and growth of normal infants. Acta Pediatr Scand, 1972, 64: 172-81.

2. Brooke OG, Kinsey JM. High energy feeding in small for gestation infants. Arch Dis Child, 1985, 60: 42-46.

3. Ounsted M, Sleigh G. The infant’s self-regulation of food intake and weight gain. Difference in metabolic balance after growth constraint or acceleration in utero. Lancet, 1975, 28;1(7922):1393-7.

4. E. M. Widdowson, Dunn Nutritional Laboratory. Food intake and growth in the newly-born. Infant Nutrition Research Division, 1971.

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

理系育児オススメ記事

ページ上部へ戻る