母乳で赤ちゃんの体重をもりもり増やすための秘訣

まず、「母乳は体重が増えにくい」というのは、迷信です。

本当は、生後半年間は、母乳の方が体重は増えやすいのです。

 

それはおいておいて、今回は、「より高カロリーな母乳を飲ませるためにはどうすればいいのか」について書かれている論文の紹介です(前回までの記事の続き)

 

<脂肪分と授乳間隔>

定時授乳を推奨する人々は、「授乳間隔を空けるほど、赤ちゃんはお腹が空くのでより哺乳に積極的になり、授乳後半の脂肪分豊富な母乳まで飲むことができる」と信じています。

しかし、これに対しては面白い観察結果があります。

 

授乳頻度が、前乳の乳脂肪の濃度に影響するのです。

頻繁に授乳すれば、母乳の質に直接的に影響を与えることができます。

つまり、授乳したときに赤ちゃんが飲む母乳の脂肪濃度は、授乳頻度を多くするほど、また、除去される母乳量が多いほど、高くなります

 

欧米の病院では、かつて、授乳頻度と授乳時間を制限することが一般的だったので、赤ちゃんが摂取する脂肪分は少なくなっていたでしょう。

 

そのような制限は、医原性の(医師の診断や指導が原因となる)母乳育児の問題が生じる結果となってしまいました。

例えば、

  • 脂肪分を制限してしまうこと(その結果、赤ちゃんがよく泣くこと)
  • 母乳の生産量低下
  • 栄養不足


などが生じてしまった
のです。

 

<原文>

Lisa Marasco, BA, IBCLC and Jan Barger, MA, RN, IBCLC. Examining the Evidence for Cue feeding of Breastfed Infants

 

つまり、頻繁に授乳すると、赤ちゃんに十分な量の母乳を飲ませることができるだけじゃなく、母乳のカロリーも高めることができるという、ダブルの効果が期待できるんですね。

 

「授乳が頻繁・長時間すぎて十分に飲めていないかも」という心配は無用ということです。

むしろ、赤ちゃんが受け取っているカロリーや栄養素はどんどん増えているのです。

 

ここで書かれている「かつては授乳頻度と授乳時間を制限していた」のは、少なくとも20年以上前のことですが、日本ではいまだに取り入れている病院もあるようです。

でも、それは古いやり方であり、「医原性の問題」の発生源なので、従わないことが成功の秘訣!です。

多くのお母さんが経験する母乳不足感

一般的に、赤ちゃんの様子で困ったことがあると、何かとおっぱいのせいにされがちです。

そのため、たとえ必要以上に母乳が作られていたとしても、「母乳が出ていない」と感じることも珍しくありません。

母乳育児を軌道に乗せるために必要なのは、運や根性ではなく、知識とスキルです。

張らないおっぱい・少ない搾乳や直母量に不安を感じたら、母乳不足感の知識が、迷信を撃退する助けになります。

増えない体重・多すぎる授乳回数・長すぎる授乳・おっぱいの痛みを解決するには、ポジショニングのスキルが欠かせません。

書籍「ちょっと理系な育児(母乳育児編)」には、母乳育児の悩みを根本解決させるための情報がまとめられています。

2017/5/12更新

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コメント

    • lalelu
    • 2014年 4月 09日

    昨日のコメントへのお返事ありがとうございました。
    母乳は体重の増加が・・・、って情報私も目にしました。でも、娘は、え、それ本当?って程に体重が増えました。生後6週の健診時には+2キロちょっと増え、約5500gになっていました。これには小児科医も、あっぱれ!と驚いていました。が、母乳は体重が・・・、という情報が頭にあった私は娘の体重増加量を心配し、助産師さんに相談すると、母乳をあげすぎるということはありえない、母乳で肥満になることはない、それよりもその成長振りを誇りに思いなさい、と言われました。

    でも、体重がこんなにも増えたのはなんでだろう?と不思議でした。自分なりに考え出した答えが、授乳の時間は決めず、搾乳して溜めておいたものも含め、好きなだけおっぱいを飲ませていたうえに、娘がぐずり出したら泣き出す前に授乳の用意、これは助産師さんから、泣き出してからでは、赤ちゃんが、おっぱいをもらうには泣かないといけない!と思い込む(習う)為よくないとの支持あり、その他でも彼女がグズリ出した時点で抱き上げるなどして彼女をギャンギャン泣かすことはほとんどありませんでした。なので、泣く、ということでのカロリーの消費がほとんどなかったから、あの体重増加?でした。

    頻繁に授乳をすることによって、高カロリーな母乳を娘に飲ませることができていたんですね~。娘の体重増加に納得です。

    • 体重-月齢曲線を見て、体重がうなぎのぼりだと「太りすぎ!」と注意する専門家もいるそうなのですが、WHOは「体重-月齢曲線で肥満かどうかは判断できない」と明言しています。注意なんかされちゃうとととても不安になってしまうけど、そういうパターンで順調に成長していく赤ちゃんもたくさんいるんでしょうね(^^)

      「ミルクの方が体重が良く増える」という迷信は、数十年前までの世界的なミルクブームの時に生まれたんじゃないかと思っていますが、今でもはびこっていますよね。

    • canae
    • 2015年 4月 28日

    いつも参考にさせていただいています。生後1ヶ月半の娘の母乳育児をしています。
    授乳は、本人が口をパクパクしたり、舌を出し入れして欲しそうになった頃合いで、片側を本人が口から離すまでなるべく飲ませ20分〜40分ぐらいくわえさせています。(その後、もう一方も欲しそうならばくわえさせます)※最初の5分ぐらいまではゴクンゴクン吸っているのですが、あとはおしゃぶり状態が永遠と続くか、寝てしまうかの状態。尿は5〜6/日程度。

    出産時の体重は2795g、1ヶ月検診で2970gでした。
    生後13日目(2460g)から1ヶ月検診までの間で30g/日増えていたので病院では問題なしと言われたのですが、区の助産師さんの母子訪問で出生児体重から44日目で3200gだったので、ミルクを足すように指導されました。(哺乳時間も長すぎると指摘)
    できればミルクを足さずに母乳育児を続けたいのですが、上記のような授乳方法だとこのまま体重増加が見込めないんじゃないかと心配になってしまいました。2箇所の母乳外来へ行き診てもらったのですが、母乳も出ているし、乳首も問題なしと言われたのですが、子供の成長が気になってしまい、このままの授乳方法よりも、見直しが必要でしょうか?

    • 体重増加が思わしくないんですね。診断はできないので、ここでは哺乳不足だと仮定して話をさせていただきます。十分な母乳が飲めていない理由として一番に考えられるのは、「赤ちゃんが上手におっぱいに吸着できていない」可能性なので、母乳育児に詳しい助産師さんがいらっしゃる母乳外来で、授乳の様子をチェックしてもらう必要があると思います。尿が少ないのも気になります。体重を量っただけでミルク補足を指導するような方は母乳育児の知識はないので、母子訪問のことは忘れていいと思います。

      また、授乳回数が書いてないので、回数が少なすぎる可能性もあるかなと思います。赤ちゃん側に、十分に哺乳できない理由(例えば舌小帯短縮症など)がある場合もあります。どうしても直母だけでは必要な量が飲めない場合は、直母にプラスして搾乳をコップで補足する方法もあります。母乳が出ているならミルクはいらない可能性が高いですが、母乳の出方と「赤ちゃんが十分に飲めているか」はまた別の問題なので、早めに受診されるといいんじゃないかと思います。受診日までは、応急処置として、直母以外にも搾乳をコップで飲ませてみてもいいんじゃないかと思います。全ての懸念を排除した結果、「そういう成長パターンの赤ちゃんだった」という結論になる可能性もありますが、懸念は排除しておきたいですよね。

        • canae
        • 2015年 4月 29日

        返信ありがとうございます。
        違う母乳外来で吸着の仕方を再度診てもらおうと思います。浅吸いなのか、おちょぼ口なのか、または他の理由なのか。。。以前受けた母乳外来では吸着を診てもらい、赤ちゃんが小さいからこれでも精一杯口を開けてると言われたのですが不安なので。。。

        授乳回数は9〜10/日です。左右両方の時もあれば、片方で終わる場合もあります。

        > 母乳の出方と「赤ちゃんが十分に飲めているか」はまた別の問題
        確かにそうですね! こちらがちゃんとチェックしてあげようと思います。

        自分の注意不足で赤ちゃんの成長を妨げることだけは避けたいので、アドバイスを参考にやってみたいと思います。

        • 今までかかったことのある病院でもいいと思いますが、改善点を指導してもらったら、母乳育児と赤ちゃんの成長が軌道に乗ったと判断できるまでは何度か経過観察をしてもらってくださいね。例えば、直母も搾乳も十分な量がかせげない状態で赤ちゃんの状態にも余裕がない場合、母乳育児が軌道に乗るまで一時的にミルクも利用した方がいいということになる可能性もありますが、経過観察をすることで母乳育児を軌道に乗せつつミルクを減らしていくことはできるので、心配しなくて大丈夫です。このブログの授乳の基礎のタグもお役に立てるかと思います。

    • ML
    • 2016年 3月 02日

    生後4ヶ月の息子を完母で育てています。産後すぐに母乳過多になり、2ヶ月で乳腺炎になりました。今も片側授乳を続けています。左右の生産量に差があり、まだまだ軌道に乗ったとは言えないのですが、赤ちゃんの体重は4ヶ月で8キロになりました。授乳間隔も、未だに2時間半ぐらいで、毎日合計10-13回、時間にすると2時間から4時間授乳しています。夜寝付く前の授乳が1時間ほどかかります。右30分、左20分、右10分といった感じです。毎回飲みながら寝ているので、飲み終わったら布団に入れようと試みるのですが、起きて必ずおっぱいを欲しがります。以前はこの寝る前の授乳に2,3時間かかっていたので、短くなってきてはいます。ただ4ヶ月に入ったこともあり、このままの状態で飲ませていると、成長曲線の上限を超えてしまうのではと、心配になってきました。こんなに体重が増えていても、赤ちゃん主導の授乳で大丈夫なのでしょうか。。。何かアドバイスを頂けますと大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。

    • お子さんが飲み過ぎ・体重が増えすぎなのではないかと、心配されているんですね。
      お子さんの体重変化は、問題があるか判断できないので、困っていることに注目して考えさせていただきます。

      ●母乳過多
      もしかすると、今も母乳過多のために、飲み過ぎになっている可能性もあります。左右差があるとのことなので、生産量が少ない方を主に授乳するようにすると、バランスがとれてくるかもしれません。

      ●寝かしつけの授乳が長い
      飲み過ぎで苦しくてなかなか寝付けないのか、ただ単に入眠に時間がかかるのか、の可能性を考えました。
      添い乳での寝かしつけはいかがでしょうか。
      時間がかかっても片方だけ飲ませるようにすれば(反対側にチェンジしない)、苦しくなりにくいかもしれません。

      授乳間隔などは妥当な範囲ですが、授乳にかかる時間が4時間ともなると長めかなと思うので、ポジショニングをチェックしてみてはいかがでしょうか。特に、生産量が少ない方のおっぱいを効率よく飲めていない可能性があります。

      結局、それがお子さんのペースである可能性もあるのですが、何か困ったことがあれば(乳房が痛い・よく泣くなど)改善の余地があるサインなので、注目してみるといいと思います。

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