たった1分で貧血のリスクを大きく下げる方法|赤ちゃんの貧血

新生児貧血になるリスクの高さが、分娩時のたった数分の違いで、大きく変わることをご存知でしょうか。

 

以下は2006年に発表された、

「産まれた赤ちゃんのへその緒をクランプするタイミングを変えるとどうなったか?」

についての調査結果です。

276人の満期産の新生児を、へその緒をクランプする時間ごとに、ランダムに3つのグループに分けて調査した

 

グループ①:産まれて15秒以内にクランプ

グループ②:産まれて1分後にクランプ

グループ③:産まれて3分後にクランプ

 

<結果>

●産後24-48 時間での貧血(ヘマトクリット45%未満)の割合

グループ①:17

グループ②:2

グループ③:3

グループ①の赤ちゃんに比べて、グループ②と③は有意に少ない。

 

●ヘマトクリット65%以上の割合

グループ①:4.4

グループ②:5.9

グループ③では14%と有意に高かった。

 

<結論>

産後、へその緒のクランプを少なくとも1分以上遅らせることで、静脈中のヘマトクリットの平均値が上昇した。

どのグループにおいても、他の値には大きな違いや、悪い影響は見られなかった。

この処置は新生児貧血の割合を減らすことが示唆された。

 


<主な調査内容や結果>

母親は合併症がなく、妊娠期間は順調な経過だった。

統計学的解析が行われた。

クランプを遅らせることによるヘマトクリットの上昇は、生理学的範囲に入っている。

 

赤ちゃんの他の結果や母体の出血量などに違いはなかった。

赤血球増加による害はないという報告があり、該当する赤ちゃん(ヘマトクリット65%以上)全員に何も症状は見られなかった。

 

産後6時間時点での乳児の静脈中のヘマトクリット値を測定した平均値

グループ①:54

グループ②:57

グループ③:59

 

<原文>

6.Cernadas JMC, Carroli G, Lardizábal J. Effect of timing of cord clamping on neonatal venous hematocrit values and clinical outcome at term: a randomized, controlled trial: In reply. Pediatrics, 2006, 118:1318–1319.

 

これは産まれた直後の鉄分の状態についての研究ですが、その後は、赤ちゃんたちに違いは出るのでしょうか?

月齢6カ月まで追跡調査した論文はこちら→※へその緒のクランプを遅らせると、赤ちゃんの貧血が減る|6カ月

 

貧血についてのさらなる情報は、タグ#貧血からもどうぞ。

書籍「ちょっと理系な育児 母乳育児編」にも、赤ちゃんの貧血を防ぐためのポイントがまとめられています。

2017/4/15更新

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