母乳率・補完食の開始時期など|WHOの乳幼児の栄養法の統計学

 母乳育児をしている割合や、補完食を始めた時期などを調べる場合、それぞれの定義によって統計を取ると、様々な結果になってしまうので、比較が難しくなります。

以下は、WHOによる定義です。

「主な指標」は、その国や地域で乳幼児の栄養法が正しく行われているか判断するために、特に重要な指標となっています。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

添付資料 4 乳幼児の栄養法のやり方を評価するための指標

 

<主な指標>

母乳育児の開始

①母乳育児を早期に開始すること

この24カ月間に生まれた子どものうち、生後1時間以内にお母さんのおっぱいに乗せてもらった子どもの割合

█(この24カ月間に産まれた子どものうち、生後1時間以内にお母さんのおっぱいの上に乗せてもらった子ども)/この24カ月間に産まれた子ども

 

母乳のみで育てること

②6カ月未満の赤ちゃんの母乳率

月齢0-5カ月の赤ちゃんのうち、母乳のみを与えられている割合

█(前日に摂取したものが母乳のみの月齢0-5カ月の乳児)/(月齢0-5カ月の乳児)

 

母乳育児の継続

③1歳の時点で母乳育児を継続していること

月齢12-15カ月の子どものうち母乳を飲んでいる割合

█(前日に母乳を飲んだ月齢12-15カ月の子ども)/(月齢12-15カ月の子ども)

 

補完食の開始

④固形食・半固形食・柔らかい食事の開始

月齢6-8カ月の乳児のうち、固形や半固形や柔らかい食事を与えられている割合

█(前日に固形や半固形や柔らかい食事を与えられた月齢6-8カ月の乳児)/(月齢6-8カ月の乳児)

 

食事の多様性

⑤食事の多様性の最小値

月齢6-23カ月の子どものうち、4つ以上の食材のグループから食事を与えられている割合

█(前日に、4つ以上の食材のグループから食事を与えられた月齢6-23カ月の子ども)/(月齢6-23カ月の子ども)

 

食事の頻度

⑥食事の頻度の最小値

月齢6-23カ月の母乳を飲んでいる、または飲んでいない子どものうち、固形・半固形・柔らかい食事を最低限の回数以上与えられている割合

 

この指標は次の2つに分けて計算します

█(前日に、固形・半固形・柔らかい食事を最低限の回数以上与えられた、母乳を飲んでいる月齢6-23カ月の子ども)/(母乳を飲んでいる月齢6-23カ月の子ども)

 

█(前日に、固形・半固形・柔らかい食事またはミルクを最低限の回数以上与えられた、母乳を飲んでいない月齢6-23カ月の子ども)/(母乳を飲んでいない月齢6-23カ月の子ども)

 

乳幼児の栄養法の指標の要約

⑦許容範囲の最低限の食事

許容範囲の最低限の食事を与えられている月齢6-23カ月の子どもの割合(母乳とは別に)

 

この指標は次の2つに分けて計算します

█(前日に、少なくとも最低限の種類の食材と最低限の回数の食事を摂った、母乳を飲んでいる月齢6-23カ月の子ども)/(母乳を飲んでいる月齢6-23カ月の子ども)

 

█(前日に、少なくともミルクを2回と、最低限の種類の食材と最低限の回数の食事を摂った、母乳を飲んでいない月齢6-23カ月の子ども)/(母乳を飲んでいない月齢6-23カ月の子ども)

 

鉄分豊富な食材または鉄分強化食品の消費

⑧鉄分豊富な食べ物または鉄分強化食品の消費

乳幼児専用に製造されたものや家庭で作られた、鉄分豊富な食材や鉄分強化食品を食べている月齢6-23カ月の子どもの割合

 

█(前日に、鉄分豊富な食材または乳幼児専用に製造された鉄分強化食品または家庭で鉄分を含む製品で強化された食べ物を食べた、月齢6-23カ月の子ども)/(月齢6-23カ月の子ども)

 

 

 


<任意の指標>

最低限必要な数を集めるために、指標の数やデータ量を制限する必要があることを考慮して、上述の指標が、人口ベースの評価およびプログラムの評価として最も重大な意味を持つものとして提案されています。

しかし、以前用いられていた指標を持続的にモニタリングすることや、いくつかのプログラムにおいてはさらなる評価を測定することが望ましいことを確保するために、次の任意の指標群が推奨されています。

 

母乳育児

⑨いつも母乳を飲んでいる子ども

この24カ月間に産まれた子どもで、いつも母乳を飲んでいる子の割合

█(この24カ月間に産まれた子どもで、いつも母乳を飲んでいる子ども)/(この24カ月間に産まれた子ども)

 

 

⑩2歳の時点での母乳育児の継続

月齢20-23カ月の子どものうち、母乳を与えられている子の割合

█(前日に母乳を与えられた、月齢20-23カ月の子ども)/(月齢20-23カ月の子ども)

 

 

⑪月齢に適した母乳育児

月齢0-23カ月の子どものうち、適切に母乳育児が行われている子の割合

 

この指標は次の2つに分けて計算します

█(前日に母乳のみを与えられた月齢0-5カ月の乳児)/(月齢0-5カ月の乳児)

 

█(前日に、固形や半固形や柔らかい食材と共に、母乳も与えられた月齢6-23カ月の子ども)/(月齢6-23カ月の子ども)

 

⑫主に母乳を飲んでいる6カ月未満の乳児

主に母乳を飲んでいる月齢0-5カ月の乳児の割合

█(前日に、主な栄養源として母乳を与えられた月齢0-5カ月の乳児)/(月齢0-5カ月の乳児)

 

 

 

母乳育児の継続期間

⑬母乳育児の継続期間

月齢36カ月以下の子どもの母乳育児の継続期間の中央値

█(0-35カ月の子どもの50%が、前日に母乳を与えられなかった時の月齢)/乳幼児の哺乳瓶授乳

 

⑭哺乳瓶授乳

哺乳瓶を使っている月齢0-23カ月の子どもの割合

█(前日に哺乳瓶で授乳された月齢0-23カ月の子ども)/(月齢0-23カ月の子ども)

 

母乳を飲んでいない子どものためのミルクの授乳頻度

⑮母乳を飲んでいない子どものためのミルクの授乳頻度

少なくとも2回ミルクを与えられている、母乳を飲んでいない月齢6-23カ月の子どもの割合

 

█(前日に少なくとも2回ミルクを与えられた、母乳を飲んでいない月齢6-23カ月の子ども)/(母乳を飲んでいない月齢6-23カ月の子ども)

 

 

 

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