仕事中に搾乳する時間がない場合にも、分泌維持するには?

仕事復帰して、赤ちゃんと離れる時間が長くなっても、母乳育児を続けることができます。

授乳できない代わりに搾乳することで、母乳の生産量を維持する効果があるものの、搾乳する十分な時間がない場合は、たとえばこんな方法もあります。

 

 

<休憩時間がなくても分泌を維持する奥の手>

出勤前と帰宅後(夜間も含む)は、頻回に授乳する

→母乳の生産を一時休止していた乳腺組織に、「まだまだ現役でいてね!」という刺激を送ることができます。

 

トイレ休憩の2-3分だけでも、搾乳する

→少しでも母乳が取り除かれれば、その分、母乳を生産する能力は上がります。

本当に時間がなければ、1分だけでも、30秒だけでも、その分の効果はあると思います。ちょこっと搾乳を1日に複数回できれば、さらに効果的だと思います。

特に月齢6カ月未満なら、月経を抑制する効果も期待できるでしょう。

可能なら少しでも搾乳は持って帰って、出勤日に飲ませてもらえれば、赤ちゃんは嬉しいと思います(^^)

仕事先からの搾乳の持ち運び方(裏技)

 

哺乳瓶はできるだけ使わない

→哺乳瓶を使う場合は、直母と哺乳瓶を両立できずに「乳頭混乱」か「哺乳瓶拒否」のどちらかになる可能性が常にあります(いつまで両立できるかは赤ちゃん次第・運次第)。

もし、赤ちゃんが哺乳瓶に慣れて、直母を拒否するようになる(=乳頭混乱)と、母乳育児はとても辛いものになります。

逆に、哺乳瓶を嫌がる赤ちゃんにわざわざ哺乳瓶で飲めるようにトレーニングするのは、とてもデメリットが大きい行為です。

 

全ての月齢の赤ちゃんにお勧めなのがコップでの補足です。

カップフィーディングのやり方(図解)

月齢5-6カ月以降はストローも使えるようになっていきますが、ストローでの補足はデメリットがないのか、現在の所不明です。

 

参照

仕事復帰後に母乳の分泌を維持する方法|WHO

仕事復帰後の母乳育児の考え方|WHO

 


最適なやり方はそれぞれ

「仕事中のちょこっと搾乳」や「家での授乳」を何回くらいすれば維持できるかは、母子の組み合わせによって違うかもしれません。

もし、「分泌が低下してきたかも?」と思ったときも、意識的に回数を増やせば、また回復させることができます

母乳は、月齢問わず、必要とされるだけ(授乳や搾乳で除去されただけ)生産されるようになっているのです。

 

夜間授乳は、「お母さんが好き勝手に寝返りを打ちながら、自分のペースで自由に眠れない!」などの大変さはあるのですが、それ以外にメリットも山ほどあるので、単なる悪者としてではなく、少し長い目で見てみるといいかもしれません。

 

【搾乳はコツが必要】

搾乳は、慣れも必要ですが、コツもあります。スムーズに搾乳するためには、【たった1分のコツで搾乳量を倍にする方法】もチェックしてみてください。

その他、【外出先・仕事先からの搾乳の持ち運び方(裏ワザ)】を始めとして、タグ#搾乳で、搾乳の基礎知識や裏ワザなどの、役に立つ情報を得ることができます。

 

2017/4/15更新

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コメント

    • しおん
    • 2013年 12月 31日

    さっそく記事を読ませていただきました!

    分からない点があればとおっしゃっていただいたので遠慮なく質問させていただきます(笑)
    よく「仕事中授乳が出来ないと母乳の量が減る」と言われますが、それは授乳できない時間の分だけトータル量が減るということでしょうか、それとも今回の記事のように事情で授乳、搾乳が出来ない時間があると、その他の時間での授乳時の分泌量も落ちるということなのでしょうか。

    今回の記事で「母乳の分泌を止める物質FIL」が作用するのは母乳が乳房内にとどまっているときのみ、とあるように母乳が取り除かれた後は分泌能力はまたすぐに戻るのでしょうか。

    私の住んでいる国はフィンランドで、WHOのガイドラインについてはいろいろなところで話されていますが、それでもなお母乳不足で悩んでいるお母さんが多いです。そのお母さんたちのほとんどが、産院や保健師さんからのアドバイスの意味をいまいち分かっていないような気がします。もしくは、助産師、保健師さんのアドバイスがいまいち分かりにくいため、お母さんに伝わっていないのかもしれません。私もその一人でした。とにかくアドバイスはもらうのだけれど実際分かりにくいことだらけ。ミルクにしてしまった方が子供も泣かないしお母さんも安心、という状況に非常になりやすいと思います。

    こちらのブログは最新の情報をなんと分かりやすく説明してくださっていることでしょう…。WHOのガイドラインが広まる前にこんなブログが存在するなんて、日本のお母さんたちにとってとてもありがたいことですね!Sumireさんがんばって!

    • 確かに、私も職場復帰前は、同じようなことを心配していた気がします!

      「授乳できない時間の分だけトータル量が減るだけ」か「全体的に分泌量が落ちてしまうのか」ということですが…
      両方、起こりうると思います。
      長くなったので、別に記事にしました→※母乳の生産能力の変化の仕方

      フィンランドでも母乳不足に悩むお母さんが多いんですね。
      専門家の方は、知識を与えるだけじゃなく、その理由を丁寧に説明したり、お母さんがどう感じているか話し合うこともとても重要なことですね。
      母乳はいいよ!と言われるだけじゃ、なかなか継続することは難しいと思います。
      でもやっぱり日本よりはだいぶ進んでいるので、うらやましいです(^^)

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