母乳育児を上手くやれたお母さんも、良いアドバイザーになれる

専門家じゃなくても、専門家とは別のやり方で、役に立つことができます。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

9章 政策・医療制度・地域活動

9.3 家族や地域での行いを強化すること

9.3.3 本職ではない・同等の能力を持つカウンセラーの訓練と支援

ヘルスワーカーは、お母さんや家族が必要とする支援を、全て行うには十分な時間がないこともよくあります。

 

同等の能力を持つカウンセラーは、保健サービスの範囲を拡張し、より簡単に乳幼児の栄養法のカウンセリングを受けやすくすることができます(17)

同等の能力を持つカウンセラーは、支援を受ける人々と同じバックグラウンドを持ちます。

典型的なのは、一人以上の子どもを出産したことがあり、母乳育児をうまくできた女性です。

 

本職ではないカウンセラーは、支援を受ける人々と共通点はそんなになく、母乳育児の経験もないかもしれません。

しかし、委託され、十分にトレーニングされていれば、両方のカウンセラーが効率的になれるでしょう。

 

 

彼らは個人的なカウンセリングを行ったり、妊娠中・授乳中の女性の家を訪問したり、支援団体を指導したり、地域団体での講演を行ったり、地域の保健施設でヘルスワーカーと一緒に働いたりするでしょう。

本職ではない・同等の能力を持つカウンセラーは、ヘルスワーカーのために作られた、その地域に適合するコースに沿って、必要な技術をトレーニングすることができます(18)

 

彼らは、活動を続けるためのサポートをしてくれる人と、同時進行でつながっていく必要があります

このサポートはヘルスワーカーや保健施設、またはNGOによってできるでしょう。

 

日本では、いわゆる民生委員や児童委員などもここに含まれるでしょう。

 

世界的に推奨されているやり方で母乳育児を行った経験がある人はもちろん、経験がなくても、適切なトレーニングを受ければ有能なアドバイザーになれるということですね。

 

トレーニングされていないアドバイザーは、知識が古い・医学的じゃないこともありますが、その場合は、お母さんの悩みがより深まったり、正しくないやり方へ誘導してしまったりしてしまう危険性があります。

相談に乗ってくれる人を確保するだけでなく、その質を高めることは必要不可欠なステップということですね。

 

適切な知識って?↓

2章まとめ|誰も教えてくれなかった、おっぱいと母乳の基礎知識

3章まとめ|補完食は離乳食と別のものです

2017/4/15更新

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コメント

    • しおん
    • 2013年 12月 27日

    いつも参考にさせていただいています。2ヶ月の女児を持つ30代です。
    週に2回ほど5時間ほどのパートをしています。通勤時間を含めると7時間ほど授乳が出来ません。
    休憩という休憩時間もなく、トイレ休憩のみですので、搾乳ができません。
    海外ですのでそれで法律に触れるわけでもなく、その分お給料も頂いていますが、仕事の種類上、店番のような形で常にその場にいなければいけません。もちろんお客様の不在の少しの間離れていることは出来ますが、2、30分休憩を取ってゆっくり搾乳することが出来ません。

    一応ここまで完全母乳で育ててきましたが、搾乳の目的は母乳の分泌を維持するためであり、私が不在の間は家にいる子供の父親がミルクをあげています。

    復帰してまだ2週間ですが、週に二回、7時間ほど授乳が出来ないというのはこれから母乳の分泌に影響してくるのでしょうか。
    もしよろしければアドバイスをいただけないでしょうか。

    • こんにちは(^^)
      産後早期の仕事復帰と母乳育児の両立、本当にお疲れ様です。

      仕事中に授乳や十分な搾乳ができなくても、分泌維持することは可能です!
      ただ、何も対策をしなければ、今後、分泌が低下する可能性もあります。

      職場で搾乳する時間がない場合の分泌維持の方法について、記事にしたいと思いますので、少々お待ちください!

        • しおん
        • 2013年 12月 28日

        Sumire様

        コメントの承認、さっそくのお返事大変感謝いたします。

        WHOの母乳育児ガイドラインについてはいろいろなサイトで取り上げられていますが、こちらではそのガイドラインを実生活でどのように使えるのか、そのガイドラインが何を言わんとしているのかまで噛み砕いてくださっているので、大変参考になります。

        私の住んでいる国でもWHOの母乳育児ガイドラインについてはたくさん話されていますし、私が子供たちを産んだ産院もそれに則った指導をしていますが、助産師さんや保健師さんたちはただ読んだことを繰り返しているだけで、では実際の育児にどのようにそれを反映させたらいいかということまではいまいち分かっていない印象があります。

        一昨年一人目を産んだときは産院でミルクをもらえず生理的体重減少の割合が11パーセントにもなってしまい、瀕回授乳+授乳後毎回ミルクをあげるように指示されてしまいました。結局ミルクよりの混合で6ヶ月まで来てしまい、離乳食が軌道に乗り始めると同時に母乳はやめてしまいました。

        今回下の子を産んだのですが、病院の方針が少し緩んでおり、かなりの瀕回授乳で私が眠れなかったのでミルクもほんの少しですが頂けましたし、そのためか体重減少も少なくて済み、退院後2週間ほどで完母になりました。

        第一子のとき母乳がでないことで非常に悩んだので、今回はベビースケールを買って毎日はかるようにしました。体重が全く増えない日、逆に一気に増える日なども当然ありましたが、週単位で一日20〜30g増えていたので安心してミルクを減らしていけました。

        第二子も第一子と同様よく泣きますが、体重が増えておむつがよくぬれているので、母乳が足りなくて泣いているわけではないと安心して母乳育児が出来ます。

        よく「毎日の体重の増減に一喜一憂するようになるのではからない方がいい」などと言われますが、私には有効でした。
        何が原因で母乳育児がうまく進まないかは親子によって違うと思うので、保健師さんがそれを見極められるようになってくれるといいと思います。情報だけでしたら今ではネットからでも得られるようになっていますものね。

        これからもSumireさんのブログ、参考にさせていただきます。保健師さんよりずっと細かく情報を噛み砕いてくださっているので、現場で活用できます。
        どうもありがとうございます。これからも応援しています。

        • ありがとうございます!励みになります(^^)
          記事、アップしました→※仕事中に搾乳する時間がない場合にも、分泌維持するには?

          >何が原因で母乳育児がうまく進まないかは親子によって違うと思うので、保健師さんがそれを見極められるようになってくれるといいと思います。
          私も、本当にそう思います!

          WHOも、母乳育児を軌道に乗せ、継続するためには、退院後もあらゆる機会に、ヘルスワーカーによるケアを受けられる環境が必要だと言っています。
          しおんさんは、悩んだり苦労したりされたと思いますが、ご自身で冷静に判断し、完母になることができたんですね!

          コメントを拝見すると、しおんさんのお住まいの地域は、日本よりはだいぶ進んだ環境のように感じます。
          まずは日本もWHOの母乳育児の話が一般的になるレベルまでいって欲しいと思いますが、その上で、たとえ正しい方法だとしても、「そのやり方をお母さんが納得すること・実行可能なこと」が大前提ですよね。
          しおんさんも、「本当にミルクは必要ないのか・頻回授乳で乗り切ることがその当時の状況として妥当だったのかどうか」などが納得できていないまま、負担や疑問を感じつつ一人で頑張られていたことは、とても大変だったと思います。

          ちなみに、WHOのガイドラインにも、ヘルスワーカーの指導をお母さんが納得・実践できなければ意味がないから、どう支援するべきなのかについても丁寧に書かれています。
          スキルのある医師・助産師・保健師の見分け方

          では、記事で不明な点などあれば、またご連絡ください(^^)

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