「最適な栄養法で育ててもらう」ことも子どもの権利の一つ

「最適な栄養法で育ててもらう」ということも、子どもの権利の一つ。

 

…当たり前すぎて、どういう意味なのか、普段、意識することはないかもしれません。

子どもの権利条約(CRC)には、乳幼児の栄養法について、このようなことが書かれています。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

9章 政策・医療制度・地域活動

9.1 国の政策と法律制定の強化

9.1.1 子どもの権利条約(CRC)

CRCは子どもたちの権利を守り、遂行するための手段になります(6)

これは1989年にほぼ全ての国連メンバーに承認されました。

 

また、これに賛同する国々(加盟国とも呼ばれる)は、それを実行していく進捗状況を定期的に国連に報告する必要があります。

 

CRC24条には子どもの健康と栄養について書かれていて、そのうち特に関係が深い引用文がいくつかあります。

 

<加盟国が賛同していること>

  • 乳児と子どもの死亡率を低下させるための適切な基準を採用すること
  • 十分に栄養のある食事と衛生的な飲料水を供給することで、病気や栄養失調と戦うこと
  • 社会の全ての層、特に両親と子どもたちに十分な情報を与え、教育を受ける機会を与え、子どもの健康・栄養・母乳育児のメリットに関する基礎知識を十分に知るためのサポートを受けさせることを保証すること

 

CRCは政府に乳幼児の栄養法周辺の経過を報告させるための重要なツールになっています。

定期審査と報告を行うことが、乳幼児の栄養法周辺に関わる国の計画と活動を強化するように勧告するための、とっかかりにもなっています。

 

「定期的に国連に報告する義務」をあえて作ることが、各国が、定められた規則や実際にそれが機能しているかを気にし続ける動機になっているんですね。

 

日本でも、例えば産休・育休制度があっても、実際に活用できない(機能していない)職場がたくさんあるように、「このやり方がいいよね」と採用するだけでなく、現場に浸透させるには“国の計画と活動を強化し続ける”ことが特に大切なのですね。

 

日本で普通に暮らしている限り、“適切な栄養法”について知る機会はない、と言ってもいいでしょう。

せめてパパママ学級(両親学級・母親学級)などでこういうことを少しでも教えてくれていたら、育児のイメージや自信の度合いも変わってくるかもしれません。

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