医学的には次の妊娠までどのくらいあけた方がいいのか

「次の子どもを授かることができるとしたら、何歳差がいいのか?」は、よく話題になるかもしれません。

しかし、「次の妊娠までの期間が、医学的にどんな意味があるか?」という重要な話は、日本ではほとんど話題になることはありません。

女性の問題というよりは、パートナー含め、社会全体が知っておくべき情報です。

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

8章 母親の健康

8.4 家族計画と母乳育児

前回の妊娠から次の妊娠までが近すぎると、どんな有害な影響を与えるかについては、よく認識されているでしょう。

 

  • 出産してから次に妊娠するまでの期間が18カ月程度以下の場合
    新生児死亡率および乳児死亡率、低出生体重、胎児発育遅延、早産のリスクが有意に高くなります。

 

  • 出産してから次に妊娠するまでの期間が6カ月以下の場合
    さらに妊産婦死亡率のリスクも高くなります。

 

夫婦には、次の妊娠を試みる前に、生児出生後はすくなくとも24カ月、流産後は6カ月待つようにアドバイスしましょう(5)

 

年子は育児が大変だとか、逆に楽だよとか、そういう話ばかりでなく、何歳差で産むかが母子の体に影響を与えることがあるんですね。

様々な理由で、産後早期の妊娠を希望する場合もあるかもしれませんが、こういうリスクがあることを知った上で、選択するということが重要でしょう。

 

女性が避妊をコントロールできない場合にも役立つ、産後の避妊についてのガイドライン

産後は避妊する必要はない?授乳性無月経法の条件

授乳中の女性に向いているもの・向いていないもの|避妊方法

 

 

2017/4/15更新

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コメント

    • みのり(旧8月出産予定)
    • 2017年 10月 05日

    36週0日で生まれた我が子も、あれから直母できるようになりました。もう搾乳はしていません。現在は身長も体重も正期産の子に追いついています。その間このブログのいろんな記事で励まされました!ありがとうございます(*^_^*)
    実はこの子を妊娠する前、私は一度流産を経験しています。当時かかっていた医師からは「(繋留流産だったので)術後月経が3回来た後なら次の妊娠にトライしてみてもかまいません」と言われました。結果的に手術から約4ヶ月後に着床したことになります。
    ガイドラインでは、流産の場合も次の妊娠は6ヶ月待つことが推奨されていますね。
    流産後の妊娠が早すぎても早産や低体重での出生のリスクが有意に高くなるということでしょうか?
    毎日ニコニコご機嫌で元気に育ってくれているので結果オーライですが、今後のために知っておきたいです。正産期に生まれるに越したことないですから…(´•ω•`)

    • 直母で順調に成長されているとのこと、よかったですね!

      結果オーライとはいえ、妊娠時期は適切だったのか気になっていらっしゃるんですね。
      統計学的にはそういうデータがあるとのことですが、今回のみのりさんの妊娠出産に妊娠時期の影響があったかというと、まず関係ないと思います。
      個々のケースになると、統計よりも、運の方が「はるかに」影響が大きいと考えられるからです。

      次に妊娠を考えるとき、もし選択肢があるなら、短期間で妊娠を繰り返すことは、避けた方がいいと思います。
      でも選択肢がない場合もあるし、すべてにおいて最良の選択をしたとしても、思い通りにはいかないこともありますよね。
      化学的な目線で見ると、妊娠出産は、誰かが意図して計画的に進められるプロジェクトではなく、単なる偶然の連続で勝手に進んでいく現象なので、五体満足で健康な人間が生産期に自然分娩で産まれてくるなんて奇跡だと思っています。
      全く同じ条件で妊娠しても、結果は無限のパターンがありうると思います。

      何が言いたいかというと、どんな経過をたどったとしても、お母さんのせいではないということです。

        • みのり
        • 2017年 10月 07日

        お返事ありがとうございます(*^_^*)
        すべてにおいて最良の選択をしても思い通りにはいかないことがあるというところと、五体満足で元気に生まれてくるのは奇跡というところにハッとしました。
        本当にその通りですね。今回の妊娠出産を経て、無事に生まれてくることは決して当たり前ではないんだと身をもって感じました。
        出産直後はどうしても「歩きすぎたのが良くなかったのかな」などと考えたり、今もこうして自分の取った選択のどこかに原因があるのではと気にしていましたが、もっとどんと構えて育児に臨もうと思いました(﹡ˆᴗˆ﹡)その上で正しい知識を身に付けていこうと思います。
        ありがとうございます♡︎♡︎ʾʾ

    • まなか
    • 2019年 1月 05日

    いつも母乳育児について参考にさせていただいております。妊活、妊娠期の授乳について二点質問がございます。
    1歳半になる子がおり母乳育児(夜間2-3回、日中2-3回程度)を続けています。
    高齢(30台後半)のため1歳過ぎくらいから二人目の妊活を始めていますが
    プロラクチンの影響で多少着床しずらいと医師からは言われています。
    40歳過ぎくらいであれば断乳を勧めるが今は様子見でよいのではといわれております。
    どの程度着床しずらいのかは未知らしいのですが
    どの程度妊孕性に影響あるかなど、何かご存知のことはございますか。
    また、担当医からは妊娠後の授乳については、およそ20週くらいからオキシトシンの受容体が発達するようでそれまでなら問題ないと言われておりますが、一般的には様々な見解があるようですよね。
    妊娠後正常経過の授乳について、いつ断乳すべきか、もしくは断乳しなくてもよいなどの情報をご存知でしたらお教えいただきたいです。
    よろしくお願いいたします。

    • 上のお子さんに授乳を続けながら妊活をしていらっしゃるんですね。
      かかりつけの医師の方がおっしゃっていることは妥当だと思います。
      妊娠後は、経過に問題がなければ出産まで授乳を続けてOKとする病院もあります(私が出産したBFHもそうでした)。

      妊娠しやすさはやはり個人差が大きいようで、授乳しながら妊娠する方も、断乳して妊娠しなかった方も存じています。

      妊娠出産に「これが正解」という選択肢はないので、悩ましい問題ですね。
      私だったら、授乳をいつまで続けるかは、自分の気持ちの折り合いや、どこまで妊娠にかけたいか、子どもの様子を何度も考えて、後悔が少ない妥協点を探すかなと思います。
      考え抜いた結果、ベストの選択をしたと自信を持って前に進めるよう、陰ながら応援しています。

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