母乳をあげるメリットは?|食物アレルギー

アレルギーの症状は、体内に吸収されるアレルゲンの量に比例することが分かっています。

アレルゲンが少なければ、症状は出ないか、軽くなります。

 

WHOによると、母乳で育つ赤ちゃんはアレルギーのリスクが低くなるそうです。

BFHでは、赤ちゃんの健康に不要なミルクは与えません

その理由を考えてみます。

 

消化器を成熟させる

母乳中には細胞の成長や増殖を促す物質、EGFが含まれます。

母乳を飲むと、EGFが赤ちゃんの腸管粘膜を成熟させて、消化吸収を助けることも分かっています。

その結果、未消化の大きな物質(アレルゲン含め)が、体内に入りにくくなる効果もあると考えられます。

母乳で育つとアレルギーが出にくいと言われる理由は?母乳中の生理活性因子

 

アレルゲンの吸収を防ぐ

母乳中には分泌型IgAが含まれます。

分泌型IgAは、小腸から侵入しようとする未消化のタンパク質と結合して体外へ排出する働きがあるそうです。

つまり、体内に吸収されるアレルゲンを、より減らすことができるということです。

 

★経口免疫寛容が起こる可能性

体が成長するにつれ、アレルギー反応を起こさなくなっていく(免疫が反応しにくくなる=免疫学的寛容の獲得)という仕組みがあります。

食材のタンパク質に対しては「経口免疫寛容を獲得する」と言ったりもします。

 

お母さんが食べたもののうち、非常に少量のアレルゲンも母乳中に出てくることが分かっています。

赤ちゃんがそれを飲むと、そのうちさらに少量のアレルゲンが赤ちゃんの体内に吸収されることもあるでしょう。

それに対して、アレルギー症状までは出なくても、赤ちゃんの免疫システムは、最初は異物とマークするかもしれません。

しかし、徐々に経口免疫寛容も働くようになり、赤ちゃん自身がその食材を食べ始める頃には「免疫システムのトレーニングが完了している」という可能性もあると考えられます。

 

★お母さんの免疫システムがリードしてくれる可能性 

母乳中には、お母さんの免疫物質が含まれていることが分かっています。
さらに、お母さんの免疫物質が、赤ちゃんの体内で、赤ちゃんの免疫システムのトレーニングをしてくれることが、いくつかの実験で示唆されています。
 
つまり、赤ちゃんの未熟な免疫システムが、本来は害のない食べ物を攻撃しようとしていたら、お母さんのベテラン免疫細胞が、「それは攻撃しなくて大丈夫だよ」と教えてくれているかもしれません。
 
参考:Lars Å Hanson, MD, PhD, Hon.FRCPCH (UK), Breastfeeding provides passive and likely longlasting active immunity, Review, DECEMBER 1998 , VOLUME 81

<アレルギーを発症してからも母乳の有益性は期待できる>

今後も、新事実が見つかる可能性もあります。

母乳を飲んでいる赤ちゃんでもアレルギーを発症することはありますが、もしかすると、飲んでいなかった場合よりは軽く済んでいるのかもしれません。

 

アレルギーを発症した赤ちゃんは消化吸収・免疫システムが未熟な可能性があります。

消化吸収が簡単で、消化器の成熟を助ける物質も入っている母乳は、お腹に優しい栄養源と言えるでしょう。

 

アレルギーがある赤ちゃんに授乳するために、お母さんも除去食にするよう指導された場合は大変なこともあると思いますが、できるだけ飲ませてあげられるといいかもしれません(赤ちゃんにアレルギーがあっても、母乳中に出てくる量はごくわずかなので、お母さんも除去食にしなければいけないことはまれなようです)。

 

※タグ#アレルギーから、アレルギーに関する話をまとめて読むことができます。

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2017/3/1更新

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