手づかみ食べはいつから?世界の離乳食の進め方

離乳食は、月齢とともに形状や食材の種類をステップアップさせていきます。

WHOが定めている、補完食の進め方の指導原則です。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第3章 補完食

3.1補完食の指導原則

 

原則6. 赤ちゃんの成長に従って、赤ちゃんの要求や能力に応じて、食材の濃度と種類を徐々に増やしましょう。

 

乳幼児に最も適した食材の濃度は、月齢と、神経と筋肉の発達具合に依存します(19)。

  • 補完食を始めたばかりの月齢6カ月の最初の時期
    裏ごししたりつぶしたりした、半固形の食事をとることができます。

  • 8カ月になる頃
    多くの赤ちゃんは「フィンガーフード」も食べられるようになります。

  • 12カ月になる頃
    多くの子供は他の家族が食べているような食事をとることができるようになります。
    ただし、子供には指導原則8.で説明するような栄養豊富な食べ物が必要です。
    また、丸のままのピーナッツなど、窒息する恐れのあるものは避けるべきです。

 

補完食は、滴り落ちずにスプーンにとどまれるくらい、十分に濃くしましょう。

一般的に、「より濃く、より固い食事」は、「薄く、水っぽく、柔らかい食事」よりもエネルギーと栄養の密度が高くなります。

子供が濃く固い食事をとることができれば、エネルギーをより多く摂取しやすく、動物由来のものを含めてさまざまな栄養成分を摂取しやすくなります。

 

固形部分の多い食事をいつ与え始めればいいのかについては、科学的根拠があります。

もし月齢10カ月を超えるくらい与えるのが遅くなると、将来的に食事の取り方などに困難が生じるリスクが増えるでしょう。

半固形食だけを与え続ければ手間を省けるかもしれませんが、子供の最適な発達にとっては、月齢に応じて徐々に固形部分を増やしていくことが重要です。

 

<ステップアップのポイント>

なぜつぶすの?なぜ手づかみ食べを始めるの?など、ポイントを整理すると大事なことは次の2つ。

①最初は噛んだり飲み込んだりする能力が低いので、よくつぶす必要がある。

②固形食の方が栄養とエネルギー密度が高いので、赤ちゃんの能力に応じて、固形食に近づけていく必要がある。

 

それを踏まえて、具体的な目安は…

  • 最初の6カ月頃はよくつぶした食事から始め、赤ちゃんが食べられる範囲で、少しずつ食材の形を残していく
  • 8か月~10か月になるまでには、固形食(つぶしていない・形のある食事)も与え始める
  • 1歳頃には大人の食事(栄養豊富で塩分・スパイス控えめのもの)を食べやすい大きさにしたものを、そのまま与え始めてOK

 

フィンガーフードは、いわゆる「手づかみ食べ」と言われるような食事のことです。

 

“離乳食”のように、例えば「〇カ月になったから食材の大きさを2 mmから5 mmにアップする」などと一気に大きくしない方がいいかもしれないし、また、食材の大きさを細かく測る必要はありません

「今までより、つぶし方を少し粗くしてみる」

「今までと同じ形状の食材と一緒に、今までより少し大きめの食材も加えてみる」

「調理に使う水分を、今までより減らしてみる」

ようなやり方で十分かもしれません。

 

赤ちゃんが食べにくそうなら、その場でもう少しつぶしてみたり、細かくしてみたりと、行ったり来たりしながら、全体的に、徐々に大人の食事に近づいていけば大丈夫です。

 

補完食の目的は乳離れじゃなくて栄養補給

補完食についてのWHOのガイドラインは【第3章まとめ|補完食は離乳食と別のものです】を読めば、全てが分かります。

行儀が悪い・食べない・食べ過ぎる・アレルギーなどについての悩みは【離乳食の悩みから解放されたい!補完食のヒント集】をどうぞ。

2014/9/19更新

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