なぜ緊急時には母乳育児が特に役に立つのか

災害などの緊急事態はいつ起こるか分かりません。

その時、なぜ母乳育児を優先させた方がいいのかを説明したWHOのガイドラインです。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

6章 例外的に困難な環境の乳児の適切な栄養法

6.3 緊急事態の状況で生活する乳幼児

 

緊急時において、人工栄養は衛生面が不十分になることや、供給が不確かであることや、準備に必要なきれいな水や熱源が不足することから、より危険度が高まります。

 

補完食に適した食材はないかもしれないし、食事を準備したり安全に食材を保存したりする設備もないかもしれません。

 

緊急事態には、調製粉乳や哺乳瓶などの母乳の代替品が緊急に必要だと思い込んでいて、現実のニーズについての情報が伝わっていない提供者から、不適切な量が送られるかもしれません。

適切にコントロールされなければ、これらの供給物資を必要としない家族へも母乳の代替品が自由に渡されることもよくあります。

そして本当に必要とするかもしれない人々が、その後に避難所に到着する前に、在庫が尽きることもあります(12)。

 

その結果、母乳育児をしていたお母さんまでも不適切で安全ではない母乳の代替品を使用したり、母乳育児を早期に止めてしまったりすることが、不必要に増える危険性があります。

 

代替栄養が必要な赤ちゃんに適切な代替品が渡らなくなると、利用できるものが何もないからといって、脱脂粉乳のような不適切な食材を赤ちゃんに与えてしまうかもしれません。

 

緊急時にも母乳は有利だとはいっても、まずは母乳をあげることを優先できるように、配慮されなければいけません。

そうしないと、必要がないのに母乳をやめたり、不要なミルクなどを飲ませたりするリスクが出てくるんですね。

 

その結果、本当にミルクを必要とする家族の分まで在庫が回らなくなったり、母乳をあげていれば心配なかった衛生面のリスク等が不必要に生じたりしてしまうのです。

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