人工ミルクと牛乳

乳幼児の栄養法について考える時は、たとえばこんなことも知っておく必要があります。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第2章 母乳育児の生理学基礎

2.3 動物のミルクと人工ミルク

<動物のミルクについて>

動物のミルクは様々な栄養の質・量ともに母乳とは全く異なるものです。

 

例外的に困難な環境の場合は短期間の母乳の代替品として、動物のミルクに水・砂糖・微量栄養素を加えて加工したものを用いることができます。

しかし、母乳と同じように感染症から守ってくれる働きは全くありません(13)。

 

6カ月からは、煮沸した全乳のミルクを飲むことができます(14)。

 

 

<人工ミルクについて>

人工ミルクは、一般的に、牛の乳汁や大豆製品を使って工場で加工されて作られます。

 

生産する際には、栄養素の量は母乳により近付くよう調整されています。

しかし、脂肪やタンパク質の質の違いを変えることができないことと、感染症からの保護作用や生理活性因子も含まれていないという問題が残っています。

 

また、粉ミルクは滅菌製品ではないので、危険なこともあります。

新生児の生命を脅かす感染症の原因が、サカザキ菌などの病原性細菌によって粉ミルクが汚染されとていたためと判明したことがあります(15)。

 

大豆製ミルクは、人間のホルモンであるエストロゲンと似た働きをする植物性エストロゲンを含んでいます。

これが潜在的に男の子の授精能の低下や女の子の早い思春期をもたらしうるのです(16)。

 

栄養素は母乳に近づけてあるのに、母乳と何が違うのかについての詳しい話

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2017/1/26更新

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コメント

    • 石田美智代
    • 2017年 8月 22日

    初めてコメントさせていただきます。

    1歳2ヶ月の娘を持つ母親です。娘が生まれた後、こちらのサイトを参考にさせていただき、おかげさまで母乳育児を続けることができました。

    娘は食欲旺盛で栄養的にはあまり問題がなさそうなこと、次子を希望していることなどから、少し早いかなと悩みつつ、授乳をやめて一週間になります。娘は最近では夜寝るときだけおっぱいを欲しがり、それも疲れたときなどは忘れてねむることもありました。わたしの胸もそれほど張らなくなってきたため、保育士さんから、それはお互いが卒乳のサインを出し合っているんですよと言われたことも影響しています。

    ただ、まだ夜ぐずっておっぱいを欲しがる日もあります。その時に牛乳を飲ませると落ち着くため、コップ一杯ほどを飲ませるようになりました。

    卒乳して一週間、このままおっぱい終了かなとも思いますが、こちらで2歳までの授乳を勧められたことが頭にあり、また母乳の代わりとして牛乳を飲ませて良いかなど疑問も出てきました。

    お忙しいと思いますが、 sumireさんのお考えをあらためて聞かせていただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

    • コメントを拝見する限り、牛乳を飲ませても、夜だけ授乳を再開しても、どちらでもいいんじゃないかな?と思いました。
      お二人が、楽しい・快適だと感じるやり方を模索できるといいですね!

        • 石田美智代
        • 2017年 9月 21日

        お忙しいところコメントをくださってありがとうございました。お礼が遅れて失礼しました。

        授乳をやめてから次々と感染症にかかり、授乳をやめたことを後悔しました。やはり母乳には免疫を高める効果があったのでしょうね。

        この間も娘はおっぱいを求めて泣く日があったり、すっかり忘れて愚図らずに寝たりと、毎日状況が違っています。そうこうするうちにわたしの母乳もとうとうほとんど出なくなってしまいました…。

        残念ながら授乳はもうできそうにありませんが、sumireさんが答えてくださったように、牛乳を飲ませたり、スキンシップをたっぷり取ったりして、娘を安心させてあげたいと思います。

        出産後を振り返ると、産院で授乳後に決まった量のミルクを飲ませるように指導され、それで娘がお腹がいっぱいになっておっぱいを飲まなくなる状況に疑問を感じ、たどり着いたのがこちらのサイトでした。好きなだけおっぱいをあげていい、赤ちゃんに付き合ってあげていいという考えに背中を押され、産院ではそれ以上ミルクを飲ませることなく、その後の母乳育児を軌道に載せることができました。

        ときには一時間以上おっぱいを加えて離さない娘に身体的な疲れを感じることもありましたが、おかげで人一倍元気に育ってくれ、今となってはとても懐かしい、良い思い出になっています。

        あらためてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。友人に子どもができたときは、sumireさんの本をプレゼントしたいと思います。子育て、お仕事とご多忙を極めていらっしゃると思いますが、お身体に気をつけてお過ごしください。

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