乳腺炎予防に最も効果が期待できること|WHO

予防

残念ながら日本ではほとんど知られていませんが、快適な母乳育児を続けるために、重要なポイントがあるようです。

 

乳腺炎;原因と対処法, World Health Organization

8. 予防

乳腺炎や乳房膿瘍は、以下の二つができれば、大いに予防が可能です。

・母乳育児のスタート時から、乳汁うっ滞を引き起こすような状況を防ぐために、適切に管理されること(32; 71; 102; 161; 167)

・乳房の怒張や乳管の詰まりや乳首の痛みのような初期症状に、迅速に対処すること

 

これは通常のマタニティーケアの一環として、また、女性と子どもたちのための施設を基盤としたものや、地域社会でのケアの一環として、継続してケアされることが必要です。

BFHI(Baby-Friendly Hospital Initiative)による、産科病棟での適切な管理が求められます(178)。

 

8.2 マタニティーケアの一環としてのルーティン的処置

乳腺炎や乳汁のうっ滞を防ぐために、以下のことを実践することが重要です。

これらは、お母さんたちが出産前後に、ケアを受けたり出産したりする産科施設 / 保健所のような小さな施設 / 家庭で、あらゆる状況において、ルーティンとして実践されるべきです。

 

・乳児は母親と早期接触させ、哺乳の準備ができたサインが見られたらできるだけ早く授乳開始すること(通常は産後1時間程度以内)

・乳児は母子同床か母子同室で、母親の近くにいさせること

全ての母親は、母乳育児の経験の有無に関わらず、授乳の技術獲得のために熟練した介助とサポートを受けられるようにするべきです(上手におっぱいに吸着させること、効果的な哺乳と母乳の除去を確実にするため)

・全ての母親は、乳児が哺乳の準備ができたサインを見せたときはいつでも、「要求に応じて」授乳することを奨励されること(口を開けておっぱいを探すようなそぶり)

・全ての母親が、制限せずに授乳することや母乳のみで育てること、母乳以外の飲食物や、哺乳瓶やおしゃぶりを与えないことの重要性を理解すること

・赤ちゃんがとても小さかったり、弱っていたりして、効果的な哺乳ができない場合は、母乳の生産を維持するための熟練した介助を受けられるべきです

・病院では、最初の授乳と、必要に応じてその後何回でも、授乳のたびに熟練した介助が必要です

・家では、産後24時間の間中と、産後2週間のうち何回か、その後もお母さんが効果的に、自信を持って授乳できるようになるまで、必要に応じて熟練した介助が必要です

 

8.1 母乳育児の管理方法について、より理解すること

授乳をする女性とそのケアをする人が知っておくべきポイント

これらは、母乳育児を妨げ、乳児の哺乳量を制限したり減らしたりすることで、乳汁のうっ滞のリスクを増大させます。

女性はこれらを避けるか、可能な限りこれらから守られるべきです(意に反して起こってしまった場合は、自分の乳房に対してさらに注意することで乳腺炎を防ぐことができます)。

・おしゃぶりを使うこと

・生後数ヶ月のうちから母乳以外の飲み物や食べ物を与えること(特に哺乳瓶を使う場合)

・赤ちゃん本人が意図しないうちに、飲み始めた方のおっぱいから離してしまうこと

・ハードな作業量やストレスフルな仕事をさせること

・授乳を飛ばすこと(赤ちゃんが夜通し寝始めることも含む)

・暴力や他の原因による乳房への外傷 

 

 

これらは、本来は、快適な母乳育児を続けるために、妊婦健診や両親学級をはじめとしたマタニティーケアや、産後、母子が利用できる地域の支援センターや保健所、乳児健診などを含めて、皆が常識として持っておくべきなんですね。

そうすれば、様々な迷信にふりまわされながら、母乳育児がトラウマになりながら、女性たちが「頑張る」必要はなくなるのです。

 

数々の研究により、「母親の努力だけで母乳育児を続けるのは、とても難しい」ということが分かっているので、早く(と言っても、これらの重要性が国際的に提言されてから、すでに30年以上経っていると思いますが)日本でも常識になるといいなと思います。

 

これらの方法と、その意味が、基礎知識として共有されるだけでも、痛みや自信喪失で涙しながら、子どもを育てる女性はかなり減ると考えられます。

 

母乳育児は知識は深く、試練は小さく

母乳育児は、知識が深いほど、試練は小さくなります。

適切な母乳育児の管理方法って何?→産科システムの話

どうやったら適切な栄養法を実践できるの?→育児をしやすくなる手っ取り早い方法の話

 

 

 

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