乳管の詰まり:何が詰まっているのか?WHO

関連する症状

「白い固まりや茶色や緑の糸状の物質が出てきて、一気に乳房のしこりが解消した」という経験がある方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

いったい何が詰まっているのでしょうか。

 

乳腺炎;原因と対処法, World Health Organization

 

7.2 乳管の詰まり

乳管の詰まりを経験した女性から、搾乳した母乳中に粒子状の物質が入っていたことが報告されたこともあります。

このケースでは、真の意味で、乳管が詰まっていたと言えるでしょう(86; 105; 119; 140)。

固い固形物が母乳と一緒に出てきて、乳房の症状があった箇所から母乳が放出された後は、症状は急速に軽減します。

 

溜まっていた母乳中に見つかる白い塊は、カゼインや他の物質が混ざったものが、カルシウムを含む塩によって凝集したものであると考えられています(16; 27)。

時には茶色や緑がかって見えることもある脂肪状あるいは糸状の物質が、乳管が詰まっている部分から出てきて、症状が軽減することもあります(53; 91; 152)。

 

残念ながら、何が詰まっているかははっきりと分かっていないようです。

 

日本助産師会によって2015年にアップデートされた情報によると、

乳管を詰まらせている成分は、カルシウム、脂肪のような物質、繊維質の紐状のもの、濃縮した母乳などでできていると言われているがはっきりしていない。

とのことで、やはり近年になっても、何で構成されているかは解明されていないようです。

 

乳腺炎研究は発展途上?

現在、乳腺炎の分野は、この「はっきりしていない」が頻発しているようです。

実際に文献検索をかけても乳牛の研究ばかりで、たった一つの検索ワードだけを拾って全然違う分野(鞄の作り方とか!)がむりやりヒットするほど、研究されていないようです。

 

ちなみに、乳牛は、1日2回程度の搾乳で済むそうで、うさぎは1日1回程度の授乳でOKだそうですが、ヒトが同じことをやると、確実に乳腺組織は退行していくと思うので、哺乳類の中でも、そのメカニズムは多少違うことがうかがい知れます。

ヒトの授乳回数などはこちら→授乳パターン

 

今のところ「詰まりは飲ませちゃダメ」という情報はないので、授乳中に赤ちゃんの口に入っても問題ないと考えられます。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」による、詰まりの対処法はこちらからどうぞ→乳管の詰まり|原因と対処法

 

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